”しくじり先生”に出演したラファエル(YouTubeチャンネル「ラファエル Raphael」より)
”しくじり先生”に出演したラファエル(YouTubeチャンネル「ラファエル Raphael」より)

 5月12・19日放送の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)にYouTuberのラファエルが出演した。ラファエルは、グレーのパーカーと白い仮面がトレードマークの人気YouTuberである。彼のメインYouTubeチャンネル「ラファエル Raphael」の登録者数は本稿執筆時点で164万人を超えている。

【写真】世界を狙うYouTuber江頭2:50

 普段のこの番組では、人生でどん底に落ちるような苦い失敗を経験した人が、そのときの苦労を振り返り、そこで学んだ教訓を生徒役のタレントたちに授業形式で伝えている。

 しかし、ラファエルは2週にわたって「自分はどうやってYouTuberとして成功したのか」ということを語っていた。彼が唯一の失敗体験として話したのは、過激な動画をアップしていたことなどが問題視され、当時持っていたYouTubeチャンネルが運営側によって停止されてしまったことだ。

 たしかにこのとき、彼は一時的にYouTubeからの広告収入がゼロの状態に追い込まれたという。しかし、これがネットニュースなどで大きく報じられたことで知名度が上がり、その後の仕事も増えた。つまり、実質的には彼は失敗らしい失敗をすることなく、YouTuberの頂点に上り詰めていたのだ。

 そんなラファエルはYouTuberとして活躍する一方、複数の企業を経営する実業家としての一面を持つ。彼は番組内で自身の収入に関しても赤裸々に語っていた。

 コンサルタントとして月2回、2時間の会議に出るだけで400万円を超える報酬を得ているとさらっと告白した。そこで、オードリーの若林正恭に「よく今日のギャラ、納得したね」と言われると、ラファエルは「それこそ今日の(テレビ出演の)ギャラはさっき言ったぐらい(400万円)です」と返した。

 この彼の発言を聞いて、出演者たちは一瞬、意味が飲み込めずに口々に「えっ!?」とつぶやいて沈黙した。その後、平成ノブシコブシの吉村崇は思わず立ち上がってスタッフの方に歩み寄り、「おい、全然話違うじゃねえか。北野ー!」と、この番組の演出を務めるテレビ朝日の北野貴章ディレクターの名前を叫んだ。

著者プロフィールを見る
ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

ラリー遠田の記事一覧はこちら
次のページ
ラファエルの報酬は1件につき最低500万円が相場