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英語民間試験「導入見送り」も、入試に活用する大学は増えている

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稲田砂知子dot.

 文部科学省が大学入学共通テストへの英語民間試験導入見送りを発表したが、この「見送り」は、「民間試験を入試に使わない」ということを意味しない。私立大学を中心に、民間試験を入試に活用する大学は増えている。「AERA English 2020 Spring & Summer」(朝日新聞出版)で、民間試験を活用する国立大学を取材した。

【写真】翻弄された教育現場。英語民間試験の導入延期を発表した萩生田光一文部科学相

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 私立大学を中心に、民間試験を活用する大学は増えている。2015年に上智大と日本英語検定協会が共同開発した検定試験TEAPが、上智大、立教大、関西大などの入試に取り入れられたことも一つの契機となった。

 一方、国公立大学は消極的なところが多い。文科省が延期決定後に20年度の活用予定を各大学に調査したところ、一般選抜に活用すると答えた大学の数は非常に少なかった。

 そんななか独自に活用する国立大学もある。東京海洋大は来年度から全3学部で民間試験の一定のスコアを求めるという。同大では16年度から、一部の学部でこの制度を取り入れていた。入試を担当する東海正・副学長はこう話す。

「受験機会に差が生じにくいよう、民間試験のスコアはいつ取ったものでもよいとしています。この制度を採用してから、英語力が高い学生が増えました。入学時のTOEIC スコアが大きく伸びたのです」

 一部の学部では4年次への進級要件をTOEIC L&R テストで600点以上の取得としているのも特徴的だ。16年度の入学生は、3年生時点で98%が達成したという。

「TOEIC 学習をきっかけにして、卒業後に役立つ英語の基礎力をつけてほしいと考えています」

 鹿児島大は17年度から民間試験を活用している。各種試験で大学が定める基準点に達している場合、センター試験(今年度から共通テスト)の英語をみなし満点か加点にするというものだ。

 入試改革を担当する竹内正興准教授は、「英語で議論することなどが当たり前になるキャンパス環境にして、ほかの学生にも刺激を与えたい」と、その意図を話す。

「本校は鹿児島出身の学生が約4割。地方で離島も多いので、民間試験の受験機会に差があります。出願資格とすると、不公平さが拡大しますので、あくまで高得点者優遇制度としています」


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