キムタクCM起用の裏にあるマクドナルドのリブランディングとは? (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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キムタクCM起用の裏にあるマクドナルドのリブランディングとは?

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『ブアツく生きようキャンペーン』のハナコの岡部大

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『大人のクリームパイ』は真木よう子(左)と伊藤沙莉(右)が共演

『大人のクリームパイ』は真木よう子(左)と伊藤沙莉(右)が共演

『大人のクリームパイ』はマクドナルド史上初めて“大人の”を冠した商品。「ベルギーショコラ」と「スイートフロマージュ」の2種を期間限定で発売した。真木よう子と伊藤沙莉が出演するCMは、趣のあるワルツをBGMにふたりの掛け合いが展開される。後輩役の伊藤が「そのクリームパイ、そんなおいしいんすか?」と質問すると、真木が真顔で「一度食べれば満たされる」と答え、商品を求めタクシーに乗ってまで買いに行くストーリーだ。

 マクドナルドのロゴが映されるラストカットではふたりが人文字で「大人」の形を作り、徹底して大人の心を満たす自信作であることをアピールした。女性を中心に「いつものCMと雰囲気が全然違う!!」「2人がベンチで“ドナルド”と並んでおいしそうにクリームパイをほおばるシーンが大人なのにお茶目」と支持され、パイの上質なイメージとスイーツの幸福感が伝わったことが分かる。

 これら3シリーズはそれぞれ異なる雰囲気に仕上がっているが、いずれのCMにも商品の紹介にとどまらず、マクドナルドと消費者との距離を近づけたいという意図が見受けられる。「マックがかっこよく感じる」と記述した調査モニターもあり、消費者にとって「時間がないときに手短に空腹をしのぐ場所」ではなく「わざわざ選んで行きたくなる場所」となるためのリブランディングへの強い意気込みを感じさせる。

 今回の好結果が、高い知名度を誇る俳優や旬のタレントのパワーだと片付けてしまうのは簡単だが、消費者の心を動かしたのはそうした表層ではなく、マクドナルドの「脱・ファストフード」の覚悟にあるのではないだろうか。

 業態を変化させるという意味ではなく、手軽・手頃であるがゆえにつきまとう「ファストフードでは心は満たされない」「洗練された大人は行かない」といったイメージを払拭し、ブランド、ひいてはファストフードの価値を再構築しようとしているように思われる。同社ホールディングスはホームページ内で「お客様と心でつながるモダンバーガーレストラン」の実現を掲げている。2020年、さらなる飛躍を期待させるマクドナルドのCMに注目だ。


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