暗記に慣れてくると、たとえば「九州は暖かいから、宮崎平野ではピーマンの促成栽培が盛ん」などと、知識がつながって覚えやすくなるからです。複合問題ができないのは、社会の公式をしっかり覚えていないことが原因の場合もあります。社会が苦手なら地理までさかのぼり、公式をしっかり覚え直すことをお勧めします。

■歴史は流れをつかむ 公民は対比で覚える

 歴史に苦手意識を持っている原因は、漢字と年号にあるようです。まずは覚えることを優先し、漢字は後回しでもいいでしょう。

 年号は一見大変に思えますが、重要な年号は100程度。ゴロ合わせだと覚えやすいです。年号の並び替えは頻出問題ですから、しっかりと覚えましょう。

 歴史を流れで覚えることも大切です。時代の変わり目は歴史的に重要な出来事が起きているので、要注意です。「縄文時代から江戸時代まで説明して」など、子どもに歴史をストーリーで語らせるのも効果があります。

 公民は授業時間が少ないうえ、子どもには馴染みのない分野なので、苦手意識を持つ子どもが多いです。しかし小学生には難しい分野だけに、出題は地理や歴史よりも難易度が低いのです。

 受験では「大日本帝国憲法と日本国憲法」「小選挙区制と大選挙区制」など、対比で出されることが多いので、セットで覚えると頭に入りやすいです。

 社会は3分野のほかに、必ず時事問題が出されます。市販や塾の参考書がよくまとまっているので、6年の11月過ぎから必ず目を通しましょう。
(文・柿崎明子)

○プロフィール
野村恵祐(のむら・けいすけ)/群馬県生まれ。中学受験社会科専門塾スタディアップ代表。講義CD、テキストの開発も手掛けている。著書に『中学受験は社会で合格が決まる』『中学受験 社会 合格への家庭内戦略』など。

※AERA進学BOOK「カンペキ中学受験 2020」から抜粋

カンペキ中学受験 2020 (AERA進学BOOK)

アエラムック教育編集部

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ライター 柿崎明子

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