──あるアスリートの方に伺ったのですが、イチロー選手が「野球選手じゃなくなった自分が想像できない。イヤだ」とおっしゃったと聞きましたが。

 イヤだって言わないと思いますけどね。

──野球選手ではない自分を想像していかがですか。

 違う野球選手になってますよ。あれ、この話さっきしましたよね。おなか減ってきて集中力が切れてきちゃって。さっき何を話したか記憶が。

 さっき草野球の話をしましたよね。だから、そっちでいずれ、楽しくてやっていると思うんですけど、そうするときっと草野球を極めたいと思うんですよね。真剣に草野球を極める野球選手になっているんじゃないですか。結局。

──(司会)時間も迫ってきました。

 おなか減ってきた。結構やってないですか。いま、時間どれっくらい? 1時間20分? 今日はとことん付き合おうと思ったんですけどね。おなか減ってきちゃった(会場笑)。

──(司会)では、あとお二人で。

──プロ野球人生で誇れることは。

 これさきほどお話しましたね。(質問した)小林くんも集中力切れてきているんじゃないの? 完全にその話をしたよね。それで1問減ってしまうんだから(会場笑)。

──イチロー選手の小学校の卒業文集が有名で、「僕の夢は一流のプロ野球選手になることです」と冒頭に書いていますが、(子供時代の自分に)どんな言葉をかけたいですか。

 お前、契約金で1億ももらえないよって(会場笑)。夢は大きくとは言いますけど、なかなか難しいですよ。ドラ1の1億って掲げてましたけど、全然遠く及ばなかったですから。ある意味では挫折ですよね。それは。こんな終わり方でいいのかな。なんか、最後はキュッとしたいよね。

──昨年、マリナーズに戻りましたけれども、その前のマリナーズ時代、「孤独を感じながらプレーをしている」と話していました。その孤独感はずっと感じながらプレーしていたんでしょうか。それとも、前の孤独感とは違ったものがあったのでしょうか。

 現在はそれはまったくないです。今日の段階でまったくないです。

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アメリカに来て学んだこと