■男性アイドルや後輩芸人、大御所タレントとの縁

 また、ヒロミがテレビを休んでいたこの10年で時代が一周したことも功を奏したと業界関係者は見ている。前出の放送作家は言う。

「1998年にゴールデン帯でやってた『8時だJ』(テレビ朝日)は滝沢秀明(36)や生田斗真(34)、嵐や関ジャニ∞のメンバーがジャニーズJrとして多数出演していました。当時から“いいお兄ちゃん”として共演者から愛されていたヒロミさんは、ジャニーズのこの世代の面々にはめっぽう強く共演も多い。おのずと、ジャニーズファンからも一目置かれています。また、『ボキャブラ天国』(フジテレビ/1992-2008)で共演していた若手時代のネプチューンやくりぃむしちゅーがこの10年で自分で番組を持つようになり、おのずとヒロミさんのタレントとしての価値が彼ら以上として扱われるようになったんです。おそらくヒロミさんはそれをわかったうえで復帰したんだと僕は思ってます」

 加えて、大御所タレントとの親交も厚い。前出のラリー遠田氏は言う。

「芸能界で仲がいいのは木梨憲武さん(56)、藤井フミヤさん(56)、そして共演をきっかけにヒロミを兄貴分のように慕っている中居正広さん(46)です。最近、ヒロミさんが復活して共演を果たしたとき、喫煙所で中居さんが『俺、司会うまくなりました?』と尋ねたそうで、ヒロミさんは『うまくなりすぎだよ、誰が紅白の司会までやれって言ったんだよ』と答えたそうです」

 ダウンタウンやとんねるずともタメ口で共演でき、東京の中堅芸人も束ねられる。さらにジャニーズ勢からの信頼も厚く、大御所の中もいる――今のテレビ界でそんな存在は稀有だろう。もはやヒロミに死角なし。有吉・坂上の二強時代に風穴を開けるのは、戦略的に“奇跡の復活”を果たしたこの男で間違いなさそうだ。(ライター・藤原三星)

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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