10月10日リリースのアルバム『レインボーサンダー』。「おやつ」「生きる」「サンダーボルト」「三年寝た」など12曲収録
10月10日リリースのアルバム『レインボーサンダー』。「おやつ」「生きる」「サンダーボルト」「三年寝た」など12曲収録
ザ・クロマニヨンズ。左から、小林勝(ベース)、甲本ヒロト(ヴォーカル)、真島昌利(ギター)、桐田勝治(ドラムス)
ザ・クロマニヨンズ。左から、小林勝(ベース)、甲本ヒロト(ヴォーカル)、真島昌利(ギター)、桐田勝治(ドラムス)
2018年11月から2019年4月まで、全国で54本のライヴを行う予定。http://www.cro-magnons.net/(撮影/柴田恵理)
2018年11月から2019年4月まで、全国で54本のライヴを行う予定。http://www.cro-magnons.net/(撮影/柴田恵理)

 一度聴くと、メロディが頭の中に入ってしまう。それほどシンプル。二度目を聴くと、サビのリフが頭の中で鳴り続けてしまう。それほど力強い。三度目を聴くと、歌いたくなる。それほど楽しい。ザ・クロマニヨンズが10月10日にリリースする『レインボーサンダー』は、ただただストレートなロックアルバム。録音はモノラルで、1960年代前半のロックンロールを聴いているようだ。

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「僕たちは生活サイクルもシンプル。ツアーをやります。ツアーが終わります。楽しかったねえ、ちょっと休もうか、って言って2週間くらい休みます。で、スタジオに入ってレコーディングします。そして、ツアー。それをずっとくり返している。バンド以外の時間はほとんど家から外へはでません。何時間でもステレオセットの前に座って、レコード聴いています。気がつくと朝になっていることもよくあります」(ヴォーカル・甲本ヒロト・以下甲本)

 そのサイクルで、曲はどんどん生まれてくるという。

「散歩しているときとか、お風呂に入っているときとか、トイレでしゃがんでいるときとか、曲はぱっとできちゃうよ。頭の中で急にメロディが鳴り始めたり、変な言葉が生まれてきたり」(ギター・真島昌利・以下真島)

 2人は表情も変えず、ひょうひょうと語る。こうして生まれた曲は「おやつ」「生きる」「人間ランド」「サンダーボルト」「モノレール」「三年寝た」……など12曲。タイトルもシンプルだ。甲本と真島と仲よく6曲ずつ作詞・作曲を担当している。

「スタジオに入って、こんな曲ができたよ、って僕が1曲聴かせるでしょ。それをメンバー4人で練習する。30分くらいでなんとなくいい感じになってさ、じゃあ次も僕の曲をやるよ、って言ったら大人げないでしょ? だから、次はマーシー(真島)やんなよ、と言う。で、マーシーの曲をやるでしょ。すると、マーシーが次はヒロトだね、って。だからいつも半分ずつです。それである程度カタチになったらレコーディングします」(甲本)

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神舘和典

神舘和典

1962年東京生まれ。音楽ライター。ジャズ、ロック、Jポップからクラシックまでクラシックまで膨大な数のアーティストをインタビューしてきた。『新書で入門ジャズの鉄板50枚+α』『音楽ライターが、書けなかった話』(以上新潮新書)『25人の偉大なるジャズメンが語る名盤・名言・名演奏』(幻冬舎新書)など著書多数。「文春トークライヴ」(文藝春秋)をはじめ音楽イベントのMCも行う。

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