「根底に、世界中の人たちともっとしゃべりたい、つながりたいという強い思いがあったからですね。もし親に『勉強しなさい』と言われて、イヤイヤ勉強していたら、あんなに頑張れなかったと思います」

 頑張りの結果、TOEFL、TOEIC、SAT(大学進学適性試験)で、アメリカ人の平均を上回るスコアを得点できるまでになったという。

■ハーバード大学で28カ国の若者と激論

 高校時代には、アメリカのハーバード大学の敷地を借りて開催された青少年サミットに参加した。

「アフリカ、ヨーロッパ、中東、アジア28カ国の高校生が集まり、自然、人権、戦争といったテーマで、どうすれば自分たちが地球を平和にできるか、解決方法を話し合いました」

 そこで、自分は日本人、ドイツ人という枠組みを超えて、地球の一市民であり、どの国の人とも助け合うべきだと、あらためて気づいたという。

 4月に入学した上智大学でも、各国からの留学生とともに学んでいる。

「コミュニケーションは英語ですが、各国の文化や価値観を知ることができるし、各国から日本がどう思われているかという視点も面白いです」

 今は大学の勉強と仕事で多忙な日々を送るマリウスさん。

「将来は、ボランティアでも、世界平和やマイノリティーの人権をサポートするプロジェクトを立ち上げたいですね」

◯マリウス葉
2000年、ドイツ・ハイデルベルク生まれ。11歳のとき日本に移住し、「Sexy Zone」結成と同時にデビュー。英語、日本語、ドイツ語を話せる。上智大学国際教養学部に在学中。

(文/阿部桃子)

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