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望まない妊娠と緊急避妊薬 海外で「知らせないのは罪」とまで言われる理由とは?

連載「ちょっとだけ医見手帖(山本佳奈医師)」

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山本佳奈dot.
山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。CLIMアドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。CLIMアドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

緊急避妊薬は、あくまでも緊急的な手段として用いられる内服薬です(※写真はイメージ)

緊急避妊薬は、あくまでも緊急的な手段として用いられる内服薬です(※写真はイメージ)

 コンドームをちゃんとつけていても「終わったら破れていた」「行為の最中に破れてしまった」なんて避妊に失敗した経験がある人も多いのではないかと思います。無防備な性交渉や避妊に失敗した性交渉の後に、妊娠する確率を下げる緊急的な手段として用いられる内服薬が、緊急避妊薬です。事後避妊薬、モーニングアフターピル、アフターピル、Emergency Contraception、Plan Bなどとも呼ばれています。性交渉の際にコンドームが破れてしまった、コンドームに穴が空いてしまった、コンドームが途中で外れてしまった、そもそも避妊をしていなかった、などの理由で、妊娠を望んでいない場合に、緊急的な手段として翌朝に服用されることが多いからです。

 日本で緊急避妊を効能効果とする医薬品として唯一承認されている薬剤に、「ノルレボ錠」(一般名:レボノルゲストレル錠)があります。「ノルレボ」は、2011年2月に日本で承認され、同年5月にあすか製薬より発売されました。レボノルゲストレルという黄体ホルモンが主な成分であり、以下の2点の効果により、性交渉後72時間以内に一回1錠(1.5mg製剤)内服すれば妊娠を防ぐことができると言われています。

 1点目は、子宮内膜の増殖を防ぐこと。これにより、受精卵が着床しにくくなり、避妊効果を得られます。2点目は、妊娠している状態に近づけること。排卵の抑制や遅延させることができるため、妊娠を防ぐ効果を得られるという仕組みです。

 内服するタイミングが早ければ早いほど効果的であると言われています。ただし、飲めば絶対に妊娠しないというわけではありません。国内の臨床試験の結果によると、妊娠率は1.59%だったといいます。保険適応外であるため、自己負担額は1万3千~1万6千円と高額です。

 ノルレボ錠が承認されるまで、日本において最も一般的だった緊急避妊法は、ヤッペ法です。エチニルエストラジオールとノルゲストレルを含む中用量ピル(錠数を調節して他の用量のピルで代用されることもある)を72時間以内に2錠、さらにその12時間後に2錠内服します。排卵前であれば排卵を抑制し、排卵後であれば黄体期の短縮や着床を阻害することによって、妊娠する確率を下げるため避妊効果を得られます。保険収載されているピルも使用可能ではありますが、緊急避妊の目的で処方される場合はノルレボ錠同様、保険適用にはならず。4千~8千円ほどで提供されています。ノルレボ錠より安価ですが、一度に服用するホルモン量が多いために、悪心や嘔吐といった副作用の出現する頻度が高いことが特徴です。



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