民進と希望の混乱を尻目に、今回躍進した立民は静観の構えだ。

 枝野幸男代表は27日、「野党再編を考えた瞬間に失速する。再編とは距離を置くことがわれわれのテーマ」と述べ、他の野党との合流や国会で統一会派を組むことに否定的な見解を示した。市民の政党として期待が高まっていることから、野党再編は「永田町の内側の数合わせだと誤解されるリスクが非常に高い」(枝野氏)からだという。

 ただ、これは表向きの理由の一つでしかない。

 立民は選挙戦で、選挙協力のために共産党と各候補者が政策合意している。その中には「当選後、希望の会派に入らない」との約束も含まれている。今後、希望と国会運営で協力すると共産からの反発は必至で、希望とは対立したままにしておかざるをえない。

 ある立民の議員は、野党再編よりも「選挙戦で協力した社民、共産との共闘にプライオリティがある」と話す。また、無所属の会にも共産党から協力を得て当選した議員がいて、これが希望との協力のハードルをさらに高くしているのが実情だ。

 ただ、野党がバラバラのままでは次の選挙でまたもや敗北することは目に見えている。各政党とも複雑な事情を抱えるために、結局は「民進党の組織を元にした新党を作って、そこにみんなが入ってくる形にするしかない」(希望の党で落選した前議員)というのが多くの野党関係者の共通した見通しだ。岡田氏は、その”仲介役”として期待を背負う。

 果たして今後、野党はどう戦うつもりなのか。

「これから野党再々編のキーマンは無所属の会の岡田さんだろう。参院選がある19年夏から逆算し、政権奪取を掲げて立憲、希望らとの再々編を仕掛けるしか道はない」(民進党閣僚経験者)

 だが、これこそが枝野氏の批判する「永田町の数合わせ」にほかならず、国民からの理解も得られるとは思えない。ある希望の議員は、野党再々編の険しい道のりをこう見通した。

「野党は小さな政党ばかりになってしまった。一つにまとまるには10年かかるかもしれない」(AERAdot.編集部 西岡千史)