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吉本興業が目指すAmazon、Netflixの「寄席」化とは?

連載「道理で笑える ラリー遠田」

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ラリー遠田dot.#ラリー遠田

(c)朝日新聞社

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 ひと昔前まで、人々にとって身近な映像メディアは地上波テレビしか存在していなかった。ところが、ここ数年でその状況は大きく変わった。インターネット上では各テレビ局の映像コンテンツがさまざまな形で配信されるようになり、Hulu、Netflix、Amazonなどでも海外ドラマをはじめとする膨大な数の動画を楽しめるようになった。

 そんな中で最近、特に注目されているのが、吉本興業が続々と大手の動画配信メディアに参入していることだ。Amazonでは「Amazonプライム・ビデオ」のオリジナルコンテンツとして、『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』『今田×東野のカリギュラ』『戦闘車』などが配信されている。

【写真】又吉直樹の芥川賞受賞作を原作にしたドラマ『火花』も話題に

『ドキュメンタル』では、松本人志に招待された芸人たちが、賞金1000万円を懸けて密室で笑わせ合いの真剣勝負に挑む。今田耕司と東野幸治が出演する『今田×東野のカリギュラ』では、東野が山に入って狩猟に挑戦したり、窃盗で逮捕された元「EE JUMP」の後藤祐樹のロングインタビューが行われたりと、過激な企画が行われている。『戦闘車』では、車好きの芸能人たちが浜田雅功と千原ジュニアの2チームに分かれて、自動車を使ったレース、走り幅跳び、相撲などの大がかりな企画で対決をする。いずれも、昨今の地上波テレビでは予算的にもコンプライアンス的にも実現が難しいものばかりだ。

 また、吉本興業はNetflixでもオリジナルコンテンツを制作している。又吉直樹の芥川賞受賞作を原作にしたドラマ『火花』は、映画並みのクオリティを保った作品として話題になった。多数の所属芸人を抱え、「お笑いの事務所」というイメージの強い吉本興業が、なぜ今これほど積極的に新しいウェブコンテンツ制作に乗り出しているのだろうか。

 そもそも、吉本興業の歴史は寄席経営から始まっている。そこから派生して徐々に芸人のマネジメントも手がけるようになり、時代が移ると彼らがラジオ、テレビにも出演するようになった。テレビというメディアの影響力が強くなるにつれて、そこに出る芸人の需要もどんどん高まっていった。

 しかし、「地上波テレビに所属芸人を送り込む」というビジネスモデルには限界がある。テレビ局から支払われるタレントの出演料は、番組制作費に含まれている。テレビに出て、その分だけギャランティーを受け取るというだけでは、下請けのような状態から脱却できないのだ。


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