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奄美群島が国立公園に これまでの国立公園とどう違う?

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喜界島の阿伝集落/サンゴの石垣が並ぶ (c)朝日新聞社

喜界島の阿伝集落/サンゴの石垣が並ぶ (c)朝日新聞社

 奄美群島が国内34番目の国立公園になった。これまでの国立公園との違いはなんだろうか? 毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された、朝日新聞奄美支局・外尾誠さんの解説を紹介しよう。

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 シイを中心とした照葉樹の森やサンゴ礁の青い海が広がる鹿児島県・奄美群島の自然が3月、国内34番目の国立公園になった。これまでの国立公園では主に景観という「見た目」が重視されてきたが、奄美では島々の「文化」や「生態系の保護」にも注目されたのが大きな特徴だ。

 正式な名前は「奄美群島国立公園」。九州と沖縄の間に浮かぶ、人が住む八つの島が対象で、面積は陸地が計約4万2千ヘクタール、海域が計約3万3千ヘクタール。亜熱帯に広がる国内最大級の照葉樹林や、そこに生息する、国の特別天然記念物アマミノクロウサギなど数多くの珍しい動植物、世界で最も北に広がるサンゴ礁、マングローブ林、ユニークな形の海岸など、多様な自然や風景が評価された。

 これまでと異なる特徴の一つが、人と自然のつながりがわかる文化や集落の景観も含めた点だ。「環境文化型」と呼ばれ、豊作を神に祈る国の重要無形民俗文化財の祭り「秋名のアラセツ行事」を続ける奄美大島の秋名集落や、サンゴの石垣が並ぶ喜界島の阿伝集落なども指定区域に入った。

 もう一つの特徴が、景観だけでなく、自然とそこにすむ生き物をあわせた生態系も守る「生態系管理型」の国立公園を目指すことだ。美しい野鳥のルリカケスやランの仲間アマミエビネなど、世界でここだけに生息する貴重な動植物が多いことを重視した。

 今回の指定には、奄美大島と徳之島が沖縄県の2地域とともに目指す「世界自然遺産」登録に向け、国がこの地域の自然を守る態勢を整える目的がある。遺産になれるかどうかは、今年予定される専門家の調査の後、来年夏に決まる見通しだ。(解説/朝日新聞奄美支局・外尾誠)

【キーワード:国立公園】
国を代表する特にすぐれた自然の風景地を守り、未来に伝えるために国が指定し、管理する公園。日本初は瀬戸内海、雲仙、霧島の3カ所で1934年に指定。昨年は沖縄県の「やんばる国立公園」も誕生している。世界初は1872年に指定されたアメリカの「イエローストーン国立公園」。

※月刊ジュニアエラ 2017年6月号より


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