ただ、今後については、2人のコメントに温度差があった。登坂が「2020年の東京五輪で2連覇したい」とまっすぐに4年後を見据えたのに対し、田知本は「私の場合は、単純に“東京五輪でも”とは言えないが」と前置きしたうえで、「金メダリストとして自身の人生をじっくり考えたい」と述べた。

 ちなみに、田知本の父、又広(やすひろ)さんと登坂の父・修さんは高岡第一高校のOBで同じ年齢だ。科が違ったため、同じクラスになることはなかったが、高校時代は仲の良い友人だったという。中学時代は2人とも柔道をやっていたため、団体戦で対戦したこともある。

 修さんによると、「彼は重量級、私は軽い階級だったので個人戦での対戦はありません。でも大将として対戦したことがあった。あっという間に投げられてしまいましたよ」とのこと。祝賀会会場で、父2人の席は隣同士。金メダリストとなった娘の縁で再会し、思い出話を交えて杯を重ねた。さぞ、うまい酒だったことだろう。

(ライター・若林 朋子)