誰でもできる快眠法6つの心得(週刊朝日ムック『すべてがわかる 認知症2016』より)
誰でもできる快眠法6つの心得(週刊朝日ムック『すべてがわかる 認知症2016』より)

 生活のリズムに大きく影響する睡眠。最近の研究で、認知症と睡眠が大きく関係していることがわかってきました。週刊朝日ムック『すべてがわかる 認知症2016』に掲載された、研究や快眠法を紹介します。

■やることがないからといってあまり早く布団に入らない

 若いころはたくさん眠れていたのに、年をとると睡眠時間が短くなり「眠れなくなった」と悩む高齢者がいます。しかし、加齢により睡眠時間が短くなるのは自然なことで、必要以上に悩むことはありません。清水医師は、次のように注意します。

「高齢者の夜間睡眠は、6時間がめどです。寝つくまでの時間を含めて、布団の中にいるのが7時間程度。やることがないからといって、あまり早く布団に入ると夜中に目が覚めてしまうのでよくありません」

 そこで、清水医師が提案する誰でもできる快眠法を紹介します。

 昼間、日光を浴びると、「体内時計」を調節する効果があります。昼の日光で、夜、眠りを導くホルモンであるメラトニンの分泌が増えるという研究結果も出ています。逆に、夜、光を浴びるとメラトニンの分泌を止めてしまいます。

 夕方以降、コーヒー、紅茶、緑茶を飲まないようにすることも大切です。これは、コーヒーなどに含まれるカフェインに目を覚ます作用があるためです。昼間に飲むぶんにはかまいませんが、夕方以降は夜の睡眠に影響してしまうので控えましょう。

 入浴は夕方におすすめします。入浴により、深部体温が一時的に上がり、そこから深部体温が下がるときの放熱で眠気が強くなります。運動にも同様の効果があります。運動で一汗かいて入浴するとよいでしょう。

 そして、眠くなってから布団に入るようにしましょう。眠くないのに布団に入ると、「寝なければいけない」と焦りが生まれて逆効果です。

「『明日は特別な日だから』といって、いつもより早く寝ようとすることも逆効果です。ふだん眠りにつく2~4時間前の時間帯が、実はもっとも眠りにくい時間なのです。眠りにくい時間に無理に寝ようとしても、よくないのです」(清水医師)

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