五輪の盛り上がりについて、1年のおよそ半分をリオデジャネイロで暮らすサンバダンサーの日本人、工藤めぐみさんはこう話す。めぐみさんは2004年、19歳のときに出身地の神戸から単身ブラジルへ。現在は人気のあるスペシャルサンバチーム「サウゲイロ」に所属し、約4000人いるダンサーの中でも一握りしかなれない「パシスタ」として活躍するとともに、活動拠点のリオデジャネイロを知り尽くしている。

 「ブラジルの人は日頃、ひとつのことに向かって団結するという意識があまりないのですが、五輪に関しては多くの人が大会を成功させたい、盛り上げたいと思っています。今、私は開会式セレモニーに出演するため週3日程度練習に通っていますが、そこでも参加者のモチベーションはものすごく高いですよ」

 ブラジル人は本来、団体行動が大の苦手と、めぐみさん。しかし、開会式の会場となるマラカナン・スタジアムのすぐそばに設けられた屋外練習場での全体練習は1回につき5時間にも及ぶが、大詰めを迎えた今、皆が高いモチベーションで取り組んでいるという。

 「演出の内容はシークレットですが、現地へお見えになる方はもちろん、テレビでご覧いただく日本の皆さんにもきっと楽しんでもらえると思います。私にとって、リオデジャネイロは第二の故郷。ぜひ大会を成功させて、楽しい雰囲気を2020年東京五輪へつなげたいです」

(文・高樹ミナ)