そのひとつが、シチズンが展開する商品だ。世界初のアナログ式光発電時計「エコ・ドライブ腕時計」を開発したことでも知られるシチズン。さすがにエコ・ドライブ腕時計は20万円超えの高級品だが、こちらにも安価でスタイリッシュな製品「シチズン Q&Q 腕時計 Falcon」がある。先述のカシオスタンダードと同様にモノクロのデザインだが、文字盤が大きく、数字の字体や針が細い。どこか洗練された印象を与える仕上がりになっている。こちらもネットでは1000円台で販売されているが、スーツと合わせれば高級時計と見まがうほど。

 一方、世界初のクオーツ時計を開発したセイコーも、コスパのいい商品を展開している。なかでも注目したのは、同社が手掛けるブランド「アルバ」が販売する「アルバ スポーツウオッチ APBX087」だ。こちらもモノトーンだが、少し太めの針と整然と並ぶ文字、そしてそれらに夜光塗料が塗られているのが特徴。スポーツウオッチとは言うものの、シンプルなのでどんな服装にも合いそうだ。こちらは3000円前後で販売されているが、防水加工をしてあることを思えばやはり安い。

 時計というと一時期は海外ブランドに押されていた印象があるが、改めてみてみると日本には日本らしい、品質の高い商品が数多くあることに気付かされる。チープカシオを発端に、日本製品の素晴らしさを再発見する人が増えているようだ。

(ライター・横田 泉)