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「CoCo壱番屋」がインド進出を計画?! インド料理の奥深き世界

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南インドのミールス。ご飯もおかずもおかわり自由

南インドのミールス。ご飯もおかずもおかわり自由

南インドの代表的スナック、ドーサ。マレーシアではトーセイと呼ばれる

南インドの代表的スナック、ドーサ。マレーシアではトーセイと呼ばれる

チェンナイにある人気店「サラヴァナバワン」。お昼時は毎日大混雑。ほとんどの客がミールスをオーダーする

チェンナイにある人気店「サラヴァナバワン」。お昼時は毎日大混雑。ほとんどの客がミールスをオーダーする

リッチでグレービーな高級北インド料理。ナンと一緒にいただく

リッチでグレービーな高級北インド料理。ナンと一緒にいただく

 インドのカレーは、大きく2種類に分けられる。小麦を主食とする北インド料理とお米を主食とする南インド料理である。主食が違えばカレーも当然違ってくる。

 北インド料理はトルコやアフガニスタンなど中東料理に起源を持ち、ムガル帝国によってインドにもたらされたメニューが多い。チキンやマトン(羊肉)を多用したリッチな味わいが特徴だ。一方、南インド料理は野菜がメインで、ココナツミルクを多用したあっさりカレーが一般的だ。ケララ州のマラバール地方やタミルナドゥ州のチェッティナード地方のように、魚や肉を使った料理が名物となっている場所もあるが、基本的にはご飯に合う味付けが特徴だ。

 世界におけるインド料理の広がりはインド人の活動範囲と重なっている。

 日本の通称“本場インド料理”は北インド料理が一般的だが、これは第2次世界大戦後、商機を求めて日本にやってきたインド商人がパンジャーブやグジャラートなどインド北西部出身者が多かったことも影響しているといえる。しかし、世界的に見ると 必ずしも“本場インド料理=北インド料理”とは言い切れない。

 例えばマレーシアでインド料理といえば、トーセイ(南インドではドーサと呼ばれる豆粉のクレープ)やバナナリーフライス(南インドではミールスと呼ばれる定食)といったメニューが一般的だ。これは英国植民地時代に、ゴムのプランテーションの労働力として南インドのタミル人が徴用されたことによる。彼らの末裔はマレーシア社会に確固たる地位を築いており、現在マレーシアの人口の約7%を占めている。

 ドバイには、チェンナイに拠点を置く南インド料理店「サラヴァナバワン」が複数出店している。ドバイは人口の約80%を外国人が占めているといわれている。なかでもずば抜けて多いのがケララやタミルナドゥといった南インドからの労働者だ。ちなみにこの「サラヴァナバワン」、インド国内や中東のみならず、パリやサンフランシスコなど世界各国に支店を持つ人気店である。日本にもぜひ出店してほしいところだ。

 また、ロンドンで一番カレーがおいしいといわれているのが、オシャレエリアとしても知られるようになったブリックレーン。ここのカレーはベンガル料理が基本だ。ここにはオシャレエリアになるずっと以前からインド人街があり、インド東部のベンガル(現在の西ベンガル州とバングラデシュ)出身の移民が多く暮らしていた。インドが英国植民地だった時代、ベンガルのカルカッタ(現在のコルカタ)に首都が置かれていたこともあり、ロンドンにはたくさんのベンガル人が渡ってきたのである。

 ちなみに日本におけるカレーといえば、とろみのついたカレーをご飯の上にのせたいわゆる“カレーライス”。これはインドが植民地だった時代にイギリスに渡ったカレーが、明治時代に西洋料理として日本に渡ってきたもの。さらに日本で独自の進化を遂げた“カレーライス”は、ラーメン同様もはや日本料理のひとつといっても過言ではない。少なくともこれをインド料理だと思うインド人はほとんどいないと思われる。

 しかし最近では、デリーやムンバイにある日本料理店で“カレーライス”はすっかり定番のメニューになっていて、オーダーするインド人もちらほら見かけるようになった。チェンナイのショッピングモールには“カレーライス”をメニューの中心に据える店も出現。「CoCo壱番屋」がインド進出を計画しているという噂もあるほどだ。インド発のカレーが地球を巡り、“カレーライス”として再上陸を果たす日もそう遠くないのかもしれない。

(写真・文/松岡宏大)


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