ワタミとユニクロ「ブラック企業」批判後の明暗を分けたものは何か? (1/5) 〈ダイヤモンド・オンライン〉|AERA dot. (アエラドット)

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ワタミとユニクロ「ブラック企業」批判後の明暗を分けたものは何か?

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窪田順生 (ノンフィクションライター)ダイヤモンド・オンライン
株価が急落したワタミ、「ブラック企業」問題の影響は?(※イメージ)

株価が急落したワタミ、「ブラック企業」問題の影響は?(※イメージ)

収益の柱である介護事業の売却を発表したことで株価が急落したワタミ。気の早い一部メディアや市場関係者は、「Xデー」も近いことを匂わせ始めた。苦境の原因の1つである「ブラック企業」問題は、ワタミにどう影響したのだろうか?

●ブラック企業批判がワタミ暗転のきっかけに

 2期連続の巨額最終赤字を計上し、2年前に320億円だった純資産が今年3月期には102億円まで目減りしたワタミ。破綻を匂わす報道も出るようになった。ここまで厳しい見方をされる背景には、会社低迷の「戦犯」である主力の居酒屋事業に復活の兆しがまったく見えず、迷走が続いていることも大きい。

 桑原豊・ワタミ前社長が、有名食品メーカーなどとコラボするなど「こだわりのメニュー」を前面に押し出した「高付加価値・高単価路線」を推進すると高らかに宣言したのは2014年頭のことだった。

 が、同年7月社長に就任した清水邦晃社長は早々にこの方針を覆し、値上げ以前の低価格帯へ戻すという「緊急対策」を打ち出す。高いながらも素材にこだわったメニューで、たしかに客単価は上がったが、客数が大幅なマイナスとなったからだ。

 この「先祖返り」が意味することは大きい。そもそもワタミは、「居酒屋=中年サラリーマンの憩いの場」だった1990年代に、「夕飯もとれる若者向け低価格居酒屋」というコンセプトを掲げて急成長し、外食産業の風雲児としてもてはやされた。あれから20年以上が経過しても結局はそこから脱却できない、ということをはからずも証明してしまったからだ。

 では、ここまでの「迷走」を招いた原因はなにかというと、さまざまな見方があるが、「ブラック企業としての烙印が重くのしかかっていることが一因」という声も多い。「和民はブラック」というイメージが定着したことで、客の足を遠ざけているというのだ。

 一般的に、「ブラック企業」イメージと売上高などの因果関係を示す客観的データは存在しないが、たしかにワタミに関しては興味深い数字がある。

 ワタミのブラックイメージが生まれたきっかけは2008年、入社3ヵ月の女性社員が自殺をしたことだが、この時点ではまだ、ネットや一部メディアが報じる「疑惑」だった。それが全国的に注目されるようになるのは12年2月、神奈川労働者災害補償保険審査官が「長時間労働による精神障害が原因」として労災認定をしたことが大きい。公的機関から「お墨付き」を得たことで「事実」として一気に報道件数がはねあがったのである。

 では、この年にワタミはどうだったか。外食産業総合調査研究センター調査によれば、12年の居酒屋・ビアホール業界の平均売上高は前年比1.5%減だったが、ワタミは3.8%減と業界水準を下回る落ち込みだった。しかも、特に落ち込みが激しいのは、「和民」(4.4%減)「わたみん家」(4.2%減)。《「和民」の女性社員・入社2か月後自殺 神奈川労働局 過労原因と労災認定》(NHKニュース2012年2月21日)などの情報のシャワーが、客足を遠ざけたというのは容易に想像できる。


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