第19回 女性のモノヅクリ職人 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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第19回 女性のモノヅクリ職人

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ヒヒロさんの絵付け風景

ヒヒロさんの絵付け風景

ヒヒロさんが絵付けした和ろうそく

ヒヒロさんが絵付けした和ろうそく

「座繰り」をするオガワさん

「座繰り」をするオガワさん

 日本百貨店の鈴木です。前回のコラムを読んで、編集者さんが言いました。

「スズキさんのコラム、登場する作り手さんが、オッサンやおにいちゃんばかりですね」

 そういえばそうだ。読み返してみると、本当にオッサンばかり。テレビの「職人の世界」的な番組で取り上げられる方もオッサンが多いですし、「ニッポンのモノヅクリ=なんとなく頑固な職人のオッサン」というイメージを持ってしまいますよね。

 でも実際は、そんなことはありません。日本百貨店にも、女性のモノヅクリによる商品がたくさん並んでいます。そこで今回、次回は、女性ならではの感性を活かして日本百貨店をサポートしてくれている職人さんをご紹介したいと思います。

 まず愛知県岡崎市にある松井本和蝋燭(まついほんわろうそく)の職人、マツイさんの娘、ヒヒロさん。マツイさんが作る伝統のイカツイ本和ろうそくに、デザイナーであるヒヒロさんがイラストを施します。場やテーマにあわせて、一つ一つ新しい命を注ぎ込み、時にはかわいく、時にはクールに仕上げます。日本百貨店おかちまち店では、定期的にヒヒロさんの実演・参加イベントを行っています。毎回ヒヒロさんに会いにくるファンの方もいます。

 群馬県桐生市のオガワさんは、絹の街・桐生で、座繰りという、座って糸を引くところから、染め、織りまでを担い、幅広い世代に愛されるショールや洋服を作っている女性です。オガワさんも定期的に店頭でお客さまとお話され、お客さまもお買い物を楽しんでいるようです。

「わー、この雑貨かわいい!」と買っていかれるのは女性が多いですし、特にデザイン面で、お客さまと感性の近い女性がモノヅクリにかかわるというのは、理にかなっていると思います。自分たちが使いたい、贈りたいと思うものを作る。商売の原点のようなお話です。

 私が商品の買い付けをしていて、たとえばバッグの色を3色選ぶとき、この3色でどうかな、なんて相談をすると、女性代表・おかちまち店のアンザイ店長に「スズキさん、これだと男っぽすぎます!」などと言われて慌てて選びなおすことがあります。男性と女性、どちらが良いとか悪いとかではなくて、感性が違う部分があるのでしょう。お互いの感性に思いやりを持って、いいモノヅクリ、いい商品選びをしたいと思っています。


(更新 2015/8/ 5 )


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プロフィール

鈴木正晴(すずき・まさはる)

 株式会社日本百貨店・代表取締役社長、ディレクター兼バイヤー。1975年神奈川県生まれ。1997年東京大学教育学部卒業後、伊藤忠商事株式会社に入社。アパレル関連の部門で、海外とのビジネスを多く経験する中で、国内の“モノ づくり”文化に根差したすぐれものをより広いマーケットに広める一助となりたいと考え、2006年3月伊藤忠商事を退社。2006年4月に株式会社コンタン(現・株式会社日本百貨店)を立ち上げる。2010年12月には東京・御徒町に、日本の優れものを集める小売店“日本百貨店”を オープン。食・雑貨・衣料雑貨など、全国から様々なこだわりの商材を集め、作り手と使い手の出 会いの場を提供している。著書に「日本百貨店」(飛鳥新社 2012/12)