第1363回 モンスター犬でも、私は見守る 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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第1363回 モンスター犬でも、私は見守る

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ヒカル(岡崎さん提供)

ヒカル(岡崎さん提供)

 明け方、オオッと叫ぶ。そしてパシャパシャと走る足音──。きっとリビングのオシッコシートのほうに駆け出したのだろう。

 シートに向かう途中、窓のそばまで行くが、そばの水をひっくり返すことがある。シートからオシッコがはみ出していることもある。

 ああ、まただ。今日もモンスター、ヒカル(写真、チワワ雄、15歳)の雄叫びが響く。

 自らもトイレに起きると、暗がりに白くボーッとこちらを見つめる視線を感じる。廊下で、うっかりするとぐちゃっと便を踏みつけることもある。心してそろりそろり忍び足でトイレに行き、出てきたら、ヒカルがトイレの前で待っていた。

 ハウスで寝ようねと連れていっても、私の腕をすり抜けていく。走り回るだけでなく、時折野生に戻ったかのようにほえる。夜中でも、明け方でも。

 それが疲れ果てるまで続くからたまったものではないが……。こちらは薬を与えて、騙し騙し眠らせてしのぐしかない。

 よく、鍵をかけても認知症の人は壊して外に出ていくと聞くが、次元は違うかもしれないけれど、その心境だ。途方に暮れる。

 六星占いでいう大殺界最後の年、災難の締めくくりに高齢の愛犬がモンスターになり、私たち夫婦を安眠させてくれない。

 折も折、高齢犬が介護放棄で捨てられるとの新聞記事を読んだが、ひとごとでない。しかし、自分にはできないし絶対しない。

 最近は日中も、興奮状態で奇声を発することがある。そういうときは電話もできない。でも、ヨロヨロと尻もちしながらも嬉しそうに歩く姿を見ていると愛おしい。

 座ることもできず、寝転んでフードを食べ、水を飲む姿も愛おしい。あなたが虹の橋を渡るまで、私は見守ることを誓うよ。

(岡崎真矢子さん 大阪府/60歳/自営業)

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(更新 2020/2/27 )


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