第1153回 朝晩の散歩は思い出とともに 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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第1153回 朝晩の散歩は思い出とともに

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 もう30年以上も前のこと。娘が小学生になったので、勤めに出ることにした。その際、夫が「留守番する娘がさみしくないように」と、真っ白い雑種の子犬を買ってきた。雄で、名前はシロ(写真右)。
 紀州犬の血をひき、とても気性が荒く、家族以外には決して気を許さない。散歩中に可愛いと声をかけられても、かむといけないので「ごめんなさい、触らないで」と断っていた。
 シロは17年にわたって、わが家の家族でいてくれた。ただ、晩年の半年ほどはオムツの日々だった。シロもつらかっただろうと、今も心が痛む。
 シロが死んで、こんな悲しい思いは二度としたくないと思った。
 しかしその半年後、娘と動物愛護センターで開かれている動物ふれあい広場というのに行ったら、シロにそっくりな子犬に出会ってしまい、すぐに申し込んだ。
 3倍の競争率だったが、みごとに当たり、子犬はうちの家族となった。
 そのときの愛護センターの人の注意が、「帰宅後、可愛いからとあまり子犬に触ったりしないように。新しい環境に慣れていないので、ストレスで死んでしまうかもしれません」。
 ところが、家に着いた途端、子犬は腕から飛び降りて家中を元気いっぱいに走り回り、捕まえるのに一苦労。あの注意はなんだったの?と、驚いたものだ。
 名前は愛護センターにちなんで「あい」(同左、雌)。その「あい」ももう14歳になり、人間の年に換算するとわが家で一番の長老だ。先代のシロとは反対にとても臆病で、散歩中に声をかけられると私の後ろに隠れてしまう。
 昨春、夫が逝った。
 あとはこの「あい」を送るまでは元気でいなければと、朝晩の散歩に励んでいる。

(栄馬啓子さん 愛知県/66歳/主婦)

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(更新 2015/11/26 )


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