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3つの作品が交差した、偶然の一日

文・中島かずき

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 昨日(10月23日)、来年夏の仕事が発表されました。
『真田十勇士』という舞台です。
 主演は上川隆也さん、演出は宮田慶子さん、主題歌が中島みゆきさんという豪華な布陣で、TBS制作の舞台脚本を書き下ろします。
 真田十勇士に関しては、数年前に『ジェノサイド』というマンガの原作を書いたことがあります。
 この時は、「真田十勇士対里見八犬士」というひねったアイディアだったのですが、今回は真っ向から真田幸村と十勇士達の物語を書こうと思っています。もちろん、僕が書くので、史実を裏や斜めから見る話にはなると思うのですが。

 ところで昨日は忙しい日でした。
 朝、ネットで『真田十勇士』が発表されたのを確認した後は、劇団☆新感線の12月公演、『ZIPANG PUNK ―五右衛門ロック3―』の顔合わせと本読み、夕方からはその制作発表でした。
 今回、主演の石川五右衛門はいつもの古田新太ですが、新感線初参加として三浦春馬くん、蒼井優さん、村井国夫さん、麿赤兒さんに、高橋由美子さん、浦井健治さんという新感線参加組を加えた面白い組み合わせのキャストになりました。
 麿さんが大駱駝鑑の世界ツアーに出かけられていて参加できなかったのが残念でしたが、その他のメンバーで読んだ本読みは、手応え充分。
 初参加組の三浦くん、蒼井さん、村井さんも初読からいいトーンを出していましたし、五右衛門シリーズ前作の『薔薇とサムライ』にも登場したシャルル・ド・ボスコーニュ役を演じる浦井くんは、彼のあたり役だったこともあり、本読みの段階からもうのびのび。水を得た魚のように演じていました。
 年末から年始にかけてのお正月興行らしい華やかで楽しい作品になると思います。

 そのあとは場所を変えてニューオータニで『ZIPANG PUNK』の制作発表。
 多くの記者さんに集まってもらっていたのですが、登壇者からの挨拶が一通りすんだ後、記者さんからの質問が何も出ない。
 いつも質問殺到ということはないのですが、普通は一つや二つは出ます。何も出ないというのは初めてでした。
 司会の中井美穂さんが僕らに質問を振ったりしたあとに、ようやく一人が質問してくれて格好がつきましたが、制作発表が終わり控え室でいのうえと「『ああ、いつものあれだよね』という感じで質問なんかするまでもないと思われたのかな」と、苦笑いをしました。

 そして夜、『仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼMOVIE大戦アルティメイタム』のクランクアップ打ち上げがありました。
『フォーゼ』としては最後の作品になります。
 仮面ライダー部のみんなと久しぶりに顔を合わせました。
 この映画ではテレビシリーズの五年後を描いていますので、どことなくみんなもおとなびている。去年の今頃、同様に映画の打ち上げでは主演の福士蒼汰くんもヒロインの清水富美加さんも、挨拶をするのにもどこかあぶなっかしかったのですが、今年は堂々としたもの。この一年で随分と成長したものだと改めて思いました。

 思えば、今年の夏はこの『MOVIE大戦』のシナリオと『ZIPANG PUNK』の台本に追われて汲々としていました。
 来年夏、『真田十勇士』が公演されることを考えると、今年の夏から来年の夏までの仕事がたった一日でまとめられてしまったわけですね。偶然というのはあるものです。


(更新 2012/10/25 )


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中島 かずき(なかしま・かずき)

 劇作家、脚本家。福岡県出身。1985年より劇団☆新感線の座付き作家に。「阿修羅城の瞳」「髑髏城の七人」などの物語性を重視したエンターテイメント時代活劇"いのうえ歌舞伎"を多く生み出す。「アテルイ」で第47回岸田國士戯曲賞受賞。コミック原作や、アニメ「天元突破グレンラガン」(07、09)脚本・シリーズ構成、「仮面ライダーフォーゼ」(11)メイン脚本など幅広く活躍。脚本を手がけた「真田十勇士」(演出:宮田慶子、主演:上川隆也)が8月から上演される

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