――梨花さんでも努力をされているんですね。

 でもこの前、表紙撮影をしていたら本当に自信が無くなっちゃって……。だって、「かわいいでしょ?」「見て!」って、心の底からはできない自分がいるの。このままじゃいけないと思って、スタッフと今後のことを話し合ったら、「いろんな経験をしてきたからこその思いがあって素敵だと思う」「女性像をどう表現するか、一緒に作っていこう」「君はできると思う」って言ってもらって、本当に嬉しかった。泣きそうになっちゃった。

 マニュアルのカバーガールじゃない何かを表現させてもらえるんだったら、私はまだやれる!って、急に自信ができたの(笑)。若くてキレイで、お肌つるつるなのが当たり前っていう世界で、どうやってビジュアルだけじゃない部分を、1枚の写真に映し出せるか。それがいまの原動力ですね。

 それに、若いころは根拠のない自信を持てたけど、年齢を重ねていくと、根拠のある自信が必要なんです。どんなにおだてられても「本当は思ってないんでしょ?」ってわかっちゃうから。ちゃんと裏付けがあって自分が理解していないと信じない。だからいつもの課題をクリアして、努力してこそ、自分の心を元気に保って、自信を持つことができると思う。私って本当は同じイスの上で3日間過ごせるぐらい究極の怠け者なんですよ。でも、2018年は地道にコツコツやっていきたい。

――年齢によって考え方が変わると洋服の選び方も、お店の商品のディレクションも変わってくるんでしょうか。

 自分が着る服でも、今まで似合っていたものが似合わなくなったり、似合っていた形が違うなって感じたりします。それには、自分が変わりたいっていう思いもあるかもしれない。昔は大好きだった淡い色の服は、今は顔の印象を引き締めたいから絶対に着なくなりましたね。だからお店にも淡い色の服はあまりありません。

 ほかにも、トレンチコートって30代より40代、40代より50代、50代より60代が似合うと思っていて、年齢としての深みが出たらもっと似合う服はあると思う。それはそれで楽しみなんです。

次のページ
「これがいい」より「これでいい」