――デヴィットは台詞の中でパーシー・シェリーなど詩人ついて言及しますね。

「デヴィットは自分がアーチストであるという風に思いたいんだよ。創造的なタイプであるとね。彼の中には強い願望がある。心の底から自分の優秀さを他人に評価してもらいたいと望んでいるんだ。あと多くのアーチストにありがちだが、自分の業績が後世に語り継がれたいとも望んでいる。それだから、知性をみせびらかしたいんだよ。彼はドラマチックなキャラクターだから。また同時に、自分の若いヴァージョンであるウォルターを教育しているという風にも感じているんだ」

――二人を演じてみて一番楽しかったシーンは?

「デヴィットがウォルターに笛を吹くことを教えるシーンだろうな。二人が向き合うところは僕のボディー・ダブルにもう一人を演じてもらった。彼を相手にデヴィットとウォルターを別々に撮影して、それを後から合成したんだ。だからタイミングの正確性が重要となったんだよ。テクノロジーが進歩したせいで、あのようなシーンが可能になったのは興味深いね。ホント」

――以前バンドをやっていた経験もあり、楽器もいろいろこなされるそうですが、笛はお上手なんですか?

「いいや。自宅で笛を練習したんだけれど、ご近所に迷惑をかけてしまったんだ。あとから、隣の人に妻が『近所に楽器を練習している人がいてイライラするって』と愚痴られたんだ(笑)おまけに、これも後でわかった事なんだが、笛の練習をする必要は全くなかったんだ。吹く曲が変わって、最終的には笛の穴に紙をいれて音がでないようにして吹いたんだよ」

――本作はリドリー・スコット監督とは3本目の仕事ですが、どんな話し合いをしましたか?

「いろんなことを話したよ。例えばどこで撮影するかとか。僕はリドリーにシドニーで撮影したいと言ったんだ。そうすれば毎日サーフィンに行けるから。あと他の配役について話しあったりもした。どの役は誰がいいとか、まあそんな感じだよ」

――本作の後も『エイリアン』シリーズは続きますか?そこにも出演する?

「現在次作についての話し合いが進行中なようだが、それが実現するか、そこに僕がかかわるかはまだ分からないんだ」

――地球外生命を信じていますか?

「信じているよ!すでに僕ら人類の中に混じっているって思っているんだ」

――もし実際に出会ったらなんと言いますか?

「末長い人生をLive long and prosper!(長寿と繁栄)かな。映画が違うよね、『スタートレック』の台詞だから(笑)」(高野裕子)