――しぎはらさんの著書『出会いを引き寄せる服の選び方 愛されリアルコーデ』に登場する6人の女性も、女性らしく見せるファッションに出会い、人生が激変しました。
私のもとに訪れる女性のほとんどが、「自分にどんな服が似合うのかわからない」「何を着ていいのかわからない」と、ファッションの悩みを口にします。ところがよくよく話を聞いてみると、「結婚したいのに出会いがない」「変わりたいのに変われない」という本音が見えてくる。つまり、着る服がわからない=なりたい自分、なりたい人生を思い描けていない、ということなのです。
そこでカウンセリングでは内面へのアプローチにたっぷりと時間をかけ、どんな自分になりたいのか、なぜ今の自分はそうなれていないのかを紐解いていきます。
これまでカウンセリングをした方の中に、実はリピーターは一人もいません。みなさん「服を選ぶことに迷わなくなった」と。最初こそ私が背中を押したけれど、「なりたい自分になれる服」という物差しを持てたことで、私に頼らずとも自分の力で選べるようになった。カボチャの馬車を出して送り出したのは魔法使いだったけれど、舞踏会に行って王子様と踊り、恋に落ちたのは、シンデレラが勇気を持って一歩を踏み出したから。つまり、自分に魔法をかけられるのは、他でもない自分自身なのです。
ここで大切なことは、きれいなドレス姿だったからシンデレラは王子様の目に止まった、ということ。みすぼらしい灰かぶり姫のままだったらシンデレラストーリーは生まれなかった。人生をつかみとるためにファッションや見た目がいかに重要か、よくわかりますよね。
――見た目を変えることで中身も変わっていく?
実はファッションから受ける印象というのは、すべて錯覚です。たとえば「白」を着ると「清楚、さわやか」に見え、「黒いレザー」を身につけている人には「ハード、パンク」といった印象をもつ、といった具合。すべてのファッションアイテムはそうした印象をもとにデザインされており、その錯覚を利用すれば「なりたい自分」をファッションで表現することができます。そういう洋服をまとうと、女性が生まれつき持っている女優スイッチがパチン!と入り、中身も「なりたい自分」になることができる。ファッションは、見た目も中身もなりたい自分になるための最強のツールなのです。
自分をかわいくできるのは自分だけ。どんな自分になるのもあなたの気持ち次第。だから絶対に諦めないで! 今を生きるすべての女性にそうお伝えしたいですね。
(文/中津海麻子)