安倍晋三首相は傲慢症候群!?
安倍晋三首相は傲慢症候群!?
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 森友学園をめぐる疑惑は、渦中の籠池泰典氏が野党の視察団に「安倍首相から(昭恵)夫人を通して2015年9月5日、100万円をもらった」と発言し、事態が急変。3月23日に国会で証人喚問が行われることになった。

 証人喚問でどんな発言が飛び出すのかが注目されるが、一連の疑惑の中で最も国民の関心が高いとされているのは、学園側が国有地を評価額よりも大幅に安く取得した問題だ。「政治家の口利き」があったのかなかったのか、あったとすれば一体誰なのかという問題をまず解明すべきだとの意見も多数聞かれる。

 一方で、「口利き」がまったくなかったのだとすれば、国有地を超格安で購入できたのは一体なぜなのかという謎が残る。真っ先に考えられるのは、財務省の役人が安倍首相の意向を「忖度(そんたく)」した可能性だ。

 著書『オレ様化する人たち――あなたの隣の傲慢症候群』(朝日新聞出版刊)で、「忖度」のメカニズムについて解説した精神科医の片田珠美さんが、この問題について寄稿した。

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 忖度とは、「他者の欲望」を敏感に察知し、先回りして満たすことを指す。これは、人間が社会で生きていくうえで不可欠な能力だ。なぜならば、フランスの精神分析家、ラカンが言っているように「人間の欲望は他者の欲望」であり、われわれは幼い頃から、親や教師などの周囲の大人の欲望を察知し、それを満たすことで環境に適応してきたからだ。

 当然、親の欲望を忖度する子供ほど、親の期待に応えようと、勉強、習い事、スポーツなどを頑張る。つまり、勉強のできる「いい子」というのは、だいたい“忖度の達人”といえる。

 そんな忖度の達人は、大人になってからも上司の意向を察知するのがうまく、それに沿うようにふるまうため、上司から有能で役に立つ部下とみられることが多い。当然、出世する可能性も高い。

 例えば財務省のキャリア官僚には、忖度の達人がそろっていると考えられる。彼らは一様に、認められたいという承認欲求も、自己保身や出世欲も人一倍強いだろうから。

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