高校バスケのウインターカップが12月23日に開幕。女子の決勝・3位決定戦が28日、男子決勝・3位決定戦は29日に行われる。
2015年に協会の運営が正常化され、NBLとbjリーグに並立していた男子のトップリーグも合流した。16年9月22日にはBリーグが開幕し、トップレベルの選手たちの目指すべき道はクリアになっている。ただバスケは野球やサッカーと違って“高卒即プロ”は皆無に近く、近年の例も津山尚大(福岡大学附属大濠→琉球ゴールデンキングス)くらいしか名は挙がらない。とはいえプロ、世界に羽ばたいた選手は多くがウインターカップを通過している。
明成(宮城)で昨年のウインターカップ制覇に貢献した八村塁は、今秋にゴンザガ大(NCAAⅠ部)へ入学した。まだ主力ではないがプレップスクール(大学準備校)、レッドシャツ(勉強と練習はしつつ登録しない状態)などの段階を経ず、既に出場機会も得ている。11年、12年に尽誠学園(香川)の連続準優勝へ貢献した渡邊雄太は、ジョージワシントン大(NCAAⅠ部)の3年生となり、活躍を見せている。
八村、渡邊は2020年の東京五輪でチームの中心を担う逸材だ。NCAAはアマチュアながら世界中から逸材が集まり、100万ドル(現在のレートで約1億2千万円)を超す報酬を得るヘッドコーチも珍しくない“超学生スポーツ級”のカテゴリー。NBAという目標はその先にあるが、まずNCAAで輝く選手が出てくることの価値は大きい。
現高3では福岡大大濠(福岡)の鍵冨太雅が『スラムダンク奨学金』の第10期生として渡米する。鍵冨はU-16代表主将も務めた191cmのオールラウンダー。まずプレップスクールの強豪校・セントトーマスモアスクールに進むことが決まっている。彼は中学入学前にアメリカで暮らしていた帰国子女で、少なくとも生活面の適応は容易だろう。並里成(滋賀レイクスターズ)、谷口大智(秋田ノーザンハピネッツ)といった選手がこの奨学金を活用してアメリカでキャリアを積み、今はBリーグで活躍している。