●栃木県が誇るあの世界遺産は紅葉が見頃

 すでに見頃となっているのが世界遺産にもなっている日光東照宮一帯である。徳川家康を祀る東照宮と家光を祀る輪王寺大猷院、日光三山をご神体とする二荒山神社の3社の境内では、11月11日からの3日間ライトアップが行われている。奥日光や中禅寺湖、いろは坂付近の紅葉の見ごろはすでに過ぎてしまったが、世界遺産エリアはまさに今が見ごろ。大自然に抱かれた中に浮かぶ人工美は「日光を見ずして結構というなかれ」という言葉を生み出したほど。

 輪王寺の逍遥園では、11月15日までライトアップを行っているほか、風神・雷神像などの特別公開中。また、二荒山神社でも「良い縁まつり」が11月23日まで開催中。男女の縁だけでなく、さまざまな縁むすびが得意な神さまが集まる日光の紅葉は、もうすぐ終わり。

日光東照宮
栃木県日光市山内2301
輪王寺
栃木県日光市山内2300
二荒山神社
栃木県日光市山内2307
いずれもJR日光線・日光駅あるいは東武日光線・東武日光からバス
(東武バス「世界遺産めぐり」が運行)

●恋の歌を和歌に詠まれた神社

「西の富士、東の筑波」といわれるほどの眺めが美しいといわれる筑波山。関東平野に人が住み始めたころからの神山として崇められてきた。筑波山の山頂には2つの峰があり、西側にある男体山を伊弉諾尊(イザナギのみこと)、東側の女体山を伊弉冊尊(イザナミのみこと)として神格化し、「筑波山神社」が創建された。

 百人一首の歌として知られる「筑波嶺の峰より落つる男女川恋ぞつもりて淵となりぬる/陽成院」でもわかるように、イザナギ・イザナミが祀られた筑波山は恋愛の神さまの象徴である。

筑波山は関東平野やそれを囲む山々を一望出来るなど、眺望がすばらしい。さらに秋の紅葉だけでなく、四季折々おりの草花が美しい場所だが、この季節にはもみじまつり(11月30日まで)が開催され、ライトアップ(11/16から11/23までと26日、27日)も行われる。

筑波山神社
茨城県つくば市筑波1
つくばエクスプレス・つくば駅からシャトルバス
山頂の社まではケーブルカーあるいはロープウェイで参拝可能

(文・写真:『東京のパワースポットを歩く』・鈴子)

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