ウェールズ代表の主力を担うラムジー(左)とベイル(右)。(写真:Getty Images)
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 4年に一度、ワールドカップの中間年に開催されるEURO2016(欧州選手権)が6月10日(日本時間6月11日)に開幕する。この大会は世界一レベルの高い国際大会と言っていい。というのもアジアのような後進地域が参加するワールドカップとは違い、すべての参加国がヨーロッパの強豪国、もしくは中堅国だからだ。ヨーロッパでの開催だけに選手は気候に慣れており、開催国への移動も少ない。このことも試合の質を保証する、大きな要因といえる。

 さて、今大会の優勝候補は開催国フランスを筆頭に、ワールドカップ王者ドイツ、史上初の3連覇を狙うスペインが第1グループに挙げられる。これに続くのがイングランドやベルギーだ。

 特に注目されるのがフランスだ。ポグバ、グリーズマンなど若手の台頭が目覚ましく、最後のメジャータイトルとなるEURO2000以来のチャンスを迎えた。だが、フランスには個人主義の強さゆえ、内紛にさいなまれてきた過去がある。潜在能力は申し分ないが、自滅の恐れも。主将として1998年ワールドカップ優勝を経験した、デシャン監督の手綱さばきに命運がかかっているといっても過言ではない。

 15回目の開催となる今大会は従来の16カ国から出場枠が拡大し、24カ国で争われる。そのためアルバニア、ウェールズ、スロバキア、北アイルランド、アイスランドという5つの国(と地域)が初出場することになった。こうした国々に注目すると、いままで以上にEUROをたのしむことができるだろう。

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