身近だけど生態は知られていないサンマ
身近だけど生態は知られていないサンマ
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 サンマがスーパーの鮮魚コーナーに、群れをなして並ぶ時期になった。新鮮なサンマの見分け方や、栄養面で優れていることなどは広く知られているが、意外にも詳しい生態が分かったのは近年のことらしい。「秋の味覚」を堪能しながら、サンマの一生について考えてみた。

 サンマは、北太平洋の広い範囲に分布している。自然界では生まれたばかりの稚魚が広い海域で一年中見つかるため、生育の過程はこれまで分かりにくかった。卵や稚魚がごく狭い海域でしか見つからず、「謎が多い」とされるウナギとは、全く逆の要因による。

 水産総合研究センターでは、2005年から11年まで水槽で飼育実験を行い、サンマの生態をつぶさに観察した結果、やっとそのライフサイクルが明らかになってきた。

 サンマの寿命はおよそ2年。マイワシの8年、マサバの11年などと比べるとかなり短命である。同センターによると、1年間に産む卵の数は4~5万個で、1回あたり1500から4000個を十数回に分け、3~4カ月かけて産卵する。産卵数はマイワシなど、ほかの小型浮魚類に比べてかなり少ないそうだ。

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