今夏から、海外生まれのLCCが続々と国内線に就航する。必要以上のサービスはしないという方針を打ち出し、賛否両論が巻き起こった日本版LCCのスカイマークは、"黒船"をどう迎え撃つのか? 西久保慎一社長に聞いた。
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――エアアジア・ジャパンにジェットスター・ジャパンと、アジアを代表するLCCの日本法人がいよいよ国内線に参入してきます。国内の空の戦いはこれからどうなりますか。
勝者のない消耗戦になるでしょうね。私たちの会社では、全路線の平均搭乗率は79%ですが、成田発着便に限ると57%に落ちます。成田発着の国内線市場はまだ成熟していないのです。にもかかわらず、夏以降はそこに2社が参入してくるのですから、各社とも就航時のご祝儀相場が終われば、20縲鰀30%程度の搭乗率にあえぐことになるでしょう。
――LCCはかなり浸透してきましたが、依然としてサービスが悪いとか、安全性に不安があるといった風評がぬぐえません。スカイマークも先日、乗客へのサービス方針に、「手荷物の収納を客室乗務員は手伝いません」「機内での苦情は受け付けません」と盛り込んで批判を浴びましたね。
方針のうち、苦情は消費生活センターに言ってくれという部分は、少し言いすぎたので修正しました。ただ、全体のポリシーを変えるつもりはありません。乗客の皆さんが求めているものは「安い運賃」と「広い座席」「安いキャンセル手数料」です。私たちはお客様がいちばん欲しいものを提供したい。そのために、サービスのポリシーは明確にしておきたいのです。
※週刊朝日 2012年7月13日号