いま、日本では街を歩けば1品200円均一の居酒屋に200円の弁当、3万円のノートパソコン、2リットル69円の緑茶、10分100円のレンタカーと激安だらけ。すっかり慣れて、こうした値段が当然に思えてくる。
しかし、激安にはそれなりの理由がある。企業の経営努力による面もあるが、"危険な激安"には注意が必要だ。ある水産物インポーターが声を潜めて言う。
「激安店で1人前100円などという"ビックリ価格"で提供されているシシャモやシラス、焼き鳥は、中国や東南アジアからの『ヒネ在庫品』の可能性がある。『ガタ屋』と呼ばれる業者が、タイのワケありの焼き鳥を居酒屋に納めているとも聞きます。1人前100円以下なら疑ったほうがいいでしょう」
食品業界に詳しい流通ジャーナリストの内田裕雄さんによれば「ヒネ在庫品」とは前年に輸入して売れ残った在庫品。前々年のものは「ヒネヒネ在庫品」と呼ぶ。「ガタ屋」は、期限切れ品や廃棄品、偽装品などのワケあり商品を専門に扱う業者で、関西では「バチ屋」と呼ぶという。
40年以上前から、大手商社が輸入した水産物のヒネ在庫やヒネヒネ在庫を扱う関東地方の業者社長は、激安居酒屋や弁当店の食材について、こう証言する。
「激安店の魚と肉は、ヒネ在庫品の可能性が高い。食用に適さないヒネ物は、家畜のエサになるのですが、これらが再び出回り、悪質な飲食店で使われることもあります」
※週刊朝日 2012年7月6日号