日本各地で梅雨明け宣言が続々となされ、学校も夏休みに。天気は良いし、お休みは始まるとなると、夏休み家族旅行の行き先を具体的に決めなくてはと、焦りを感じる方も多いだろう。
旅先の候補地として、日本の観光地から100カ所を選び出す。こういった試みは古くからあり、戦前では1927年(昭和2年)に選定された「日本百景」がある。この時に選定された、江ノ島(神奈川県)や中禅寺湖(栃木県)などは当時から景勝地として知られていたことがわかる。また箕面の滝(大阪府)や日本平、沼津湾(ともに静岡県)、筑波山(茨城県)など中高年世代には懐かしい場所も選定されている。
戦後では1982年(昭和57年)に朝日新聞社と森林文化協会が選定した「21世紀に残したい日本の自然100選」などがある。この時は「知床半島の自然林」「白神山地のブナ林」「屋久島の自然林」など、その後世界自然遺産に登録された場所や「四万十川」「高尾山」などアウトドアレジャーのフォールドとして人気を集めている場所などが選定されている。
最近ではネット上に、各旅行サイトが選定する旅行先や宿泊施設のランキングなどが数多くあり、手軽に旅の候補地を選ぶことができる。中には外国人が選ぶ日本の観光地ランキングなどもあり、宮島(広島県)や伏見稲荷(京都府)など日本人には意外な観光地が上位にあり、新しい視点から国内の観光地を再発見することができる。
ネット全盛のご時世だが、この分野では近年ガイドブックも好調。昨年発売された「世界の絶景・秘境100」「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景」など世界編に続き、日本国内編も続々と刊行されている。今月発売されたばかりの「日本の絶景&秘境100」では、絶景スポットで、より一層の絶景が楽しめるタイミングが紹介されている。有名どころでは北海道トマムの「雲海テラス」や兵庫県にある「日本のマチュピチュ」と称される竹田城。ともに普段でも眺望が楽しめるが、そこに自然現象である雲海が加わることによってより一層の「絶景」となる。北海道の富良野・美瑛のラベンダー、北竜のひまわりなど夏休みが最適タイミングとなる季節の絶景も。
今年は好景気、人手不足で夏休みはちょっと無理!と言う方。「都庁から見る夜景」(東京都)や「新世界と道頓堀」(大阪)の夜の風景も100の絶景にふくまれている。ほんの数時間、夏の夜の旅を楽しんでみてはいかが?