新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受け、普段はライバル関係にある米大手コンサート・プロモーターのAEGとライブ・ネイションなどが協力し、大規模なコンサートを月末まで見合わせる共同提案を発表した。
ライブ・ネイションでは、月末までアリーナ級のツアーを中断すると2020年3月12日に従業員に伝えていた。現時点で英国でのツアーやコンサートは含まれていない。
声明には、「現段階では、大規模イベントを3月末まで見合わせることを共同で提案します。小規模イベントに関しては、それぞれの地域行政当局の指導に従うことを引き続き支持します。我々は、必要に応じてコンサートやフェスティバル、そしてライブ・イベントの日程を変更できる柔軟性を持てることを幸運であると思っており、ファンをお気に入りのアーティストやライブ・エンターテインメントに早く結び付けられるようになることを待ち望んでいます」と記載されている。
この声明は、新型コロナウィルス危機が米国でも広がり始めた先週、コンサート業界のリーダーたちが立ち上げたグローバル対策本部のメンバーにより署名されている。ライブ・ネイションのマイケル・ラピーノ(Michael Rapino)、AEGのダン・ベッカーマン(Dan Beckerman)、AEG Presentsのジェイ・マルシアーノ(Jay Marciano)、CAAのロブ・ライト(Rob Light)、WMEのマーク・ガイガー(Marc Geiger)、Paradigmのサム・ゴアーズ(Sam Gores)とマーティ・ダイアモンド(Marty Diamond)、UTAのデヴィッド・ゼデック(David Zedeck)などが含まれている。
グローバル対策本部では、毎日の電話会議のほか、“情報を共有しながら、ライブ・ツアー戦略全般を話し合い、トレンドを見直す”ために顔を合わせると、メンバーが自社従業員に向けたメールで説明されている。「電話の向こうにいる相手が競合相手だとしても、我々の業界をめぐる状況のおかげで誠実と敬意が根を下ろし、業界全体に共通する利益のために働くことになった」とメールは続き、「アーティスト、スタッフ、同僚、そして同様に大切であるファンの皆様を守るために最善を尽くせるような手順を作り、一貫性のあるメッセージを発信することが我々の目標だ」と綴られている。