投資対象が同じ投資信託なら、運用成績の差に影響を与えるのは結局「信託報酬が高いか安いかだけ」というケースが多い。ならば信託報酬の安さをインデックスファンド選びの決め手にすればいい。
たとえば、年利回り3%の運用成績を出す投資信託を買い続けたケースで試算してみよう。
コストとしてAという投資信託の信託報酬が年率0.1%、もう一方のBが0.7%だったとする。つまり両社の差は0.6%。この場合、運用成績にどれだけ差が出るかを試算した。
AとBのどちらも年利回り3%なのに、信託報酬の違いで10年後には7.6%、20年後には19.6%もの差がついてしまう。
■実質コストは気にするべき?
最近は「信託報酬以外の実質コストに注意」という記事も見かける。実質コストとは、有価証券取引税や「その他費用」にあたる事務コストのことだ。
水準としては信託報酬と同じか、少し低いぐらい(年0.5%前後)。気になる人は、ネットに公表されている運用報告書を見てみよう。
信託報酬そのものがどんどん引き下げられている今、細かい手数料は確かに気になる。ただ、事務コストは金融機関の収益になるわけではなく、投資信託を運用していくのに必要なお金。神経質にならなくてもよい。
(取材・文/木村慎一郎、伊藤忍)