気象庁によれば4月11日、インドネシアのスマトラ島沖でマグニチュード(M)8.6の地震が発生。そのわずか14時間後、今度は太平洋の反対側、メキシコ南西部ミチョアカンでもM7.0の地震が起きた。
 今回、スマトラ島沖、メキシコと地震が続いた理由として、京都大学防災研究所の遠田晋次准教授はこんな説を唱える。
「スマトラの地震がメキシコの地震を誘発した可能性があります。巨大地震が起きると、人間が感知できない周期の長い波が半日以上かけて地球を数周します。この波は遠く離れた地域の地震を誘発する恐れがあるので、巨大地震発生の直後から2、3日間は要注意。とはいえ、通常は表面波による誘発地震は、ほとんどがM6程度までです」
 待望のゴールデンウイークには例年、多くの人がビーチリゾートに出かける。独立行政法人建築研究所の都司嘉宣・特別客員研究員も「今回続いた地震の影響は心配ない」としながら、こう指摘するのだ。
「ただし、インドネシア、フィリピンなどは、そもそも地震多発地域。ハワイやタイのプーケット島なども遠方の大地震で津波が押し寄せることがあり、常に警戒すべきです」
 バカンスとはいえ、気を抜いてはいられないようだ。

※週刊朝日

 2012年4月27日号