悩んだ末に応募した講談社主催のコンテスト「ミスiD2018」でSKY−HI賞を受賞、迷いは吹っ切れた。
「また歌ってみよう、今度は一人で。『ママだって夢をかなえることができる』って」
ママアーティストとしての再始動を決意した。もちろん世の中には、育児しながら活動するたくさんの女性アーティストがいるが、かなまるさんの場合は、所属の事務所やレコード会社を持たないフリーランスという立場での活動である。一人でもできる活動として、ライブ配信アプリを通して歌やトークをほぼ毎日届け、複数のアーティストの出演するライブイベントへの参加を重ねた。
「もちろんアイドル時代から応援してくださっている方もいますが、私の歌詞の世界やママアーティストとしての生き方に共感してくれる若い女性ファンが増えたのが、すごくうれしい。ライブやイベントに出た時のファンの方にいただく差し入れが、私にではなく、『ゆめちゃんに』って、お菓子やおもちゃだったりもします(笑)」
初のワンマンライブは、そんな活動が実を結んだ新たな一歩のはずだった。
「半年以上かけ準備してきたワンマンライブだったので、どんな形であれ気持ちを届けることができて、心から感謝しています」
無観客ライブを終え、こう感想を語った。
前売り分のチケット代は払い戻しとなったが、その代わりにクラウドファンディングを実施しチケット売り上げやグッズ販売の代わりとなる“支援”を募り、開始から2週間で126万円超の支援金額が寄せられた。支援のお返しとして、この日のライブで販売予定だったグッズやステージの模様をおさめた動画などが提供された。
「何よりも今回のワンマンを映像化できたことがうれしかったです。このような状況の中でたくさんの支援をいただけたことには感謝の気持ちでいっぱいです」
コロナウイルスの影響で、無観客ワンマンライブ以降、多くのアーティスト同様、配信以外の活動はほぼできず、具体的な活動の予定は立てられない状況だ。