ドラマ「美食探偵 明智五郎」に出演中の小芝風花さんがAERAに登場。現在の想いを語った。AERA 2020年6月8日号から。
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撮影前日、ドラマ「美食探偵 明智五郎」第6話が放送され、「#美食探偵」がTwitterのトレンド1位になるなど反響を呼んだ。新型コロナウイルスの感染拡大のため、ラストシーンが異例の演出で撮影されたからだ。
がらんとした黒い空間。中央にマイクを挟み、椅子に座って向き合う主人公・明智五郎役の中村倫也と、彼に思いを寄せる苺(いちご)役の小芝。4メートルほどの距離をとり、座ったまま表情と声で芝居した。
「最初は朗読劇という案が出たんです。普段通りの撮影はできないから、中村さんと私が前を向いて台詞を読んで、カメラも最小限で。でも、苺が感情を絞り出す大切なシーンなので、別の方法はないかなあと思っていたら、中村さんがああいう形で提案してくださって」
その演出で、感情はかえってダイレクトに伝わった。
「二人の間の距離が、手を伸ばしても届かない、心の距離を表しているようでした。撮影前は不安でしたが、『よかった』というご意見もいただけてうれしいです」
15歳で俳優デビューし、着実にステップアップ。10代はまじめないい子の役が多かったが、いまは役の幅も広がった。
20歳のとき、舞台が終わったタイミングでやったことがある。
「先が見えない職業だから、夢というほど遠いものじゃなくて、でも頑張らないと叶えられないくらいの目標をと思って、5カ年計画を立てました。口に出すと叶わなくなりそうなので秘密です(笑)」
憧れているという俳優たちのことを、目を輝かせて語った。
「妖艶な役もあれば、すごく人間臭い役もあって、作品ごとに見え方が全然違う。私も、そういう人になりたいです。一生かけての目標です」
(編集部・藤井直樹)
※AERA 2020年6月8日号