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「人間は進化したら何になるの?」
「どうして、“わたし”は“わたし”なの?」
【気持ちよさそうに眠っている著者の愛猫マリリンの写真はこちら】
発想豊かな子どもの疑問に大学教授が本気で答える連載「子どもの疑問に学者が本気で答えます」。子どもに聞かれて答えられなかった疑問でも、幼い頃からずっと疑問に思っていることでも、何でもぜひお寄せください。明治大学教授の石川幹人さんが、答えてくれますよ。第17回の質問は「なんで眠らないと生きられないのか?」です。
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【Q】なんで私たちは眠らないと生きていけないの?
【A】私たちは眠らないと生きていけないのでなく、起きないと生きていけないのです
宿題が終わっていないのに眠くなると、「起きている必要があるのに、なぜ眠くなってしまうのか」と、イライラしますね。一方で、すぐにやるべきこともなく、ごろごろと寝ていられると、幸せな気分になるものです。
生き物は一般に、食べ物が足りていて安全ならば寝ています。そのほうが、エネルギー消費が少なく済むので、生きていくのに効率がいいからです。
たとえば、家ネコは1日20時間くらい寝るので、“寝子”と呼ばれるほどです。我が家のネコ「マリリン」も、食事以外の時間はほとんどグダーっと日なたぼっこしています。夜は暗くなるとひと騒ぎしますが、そのあとはまた眠ってしまいます。ネコが夜にひと騒ぎするのは、ネズミなどの夜行性の小動物を狩って食べていたころの名残です。今では「もう狩りは必要ないので、寝るか」となっているのです。
植物に至っては、1日中寝ているようなものです。太陽の光を浴びて自分で栄養を作れるので、動きまわる必要がないのです。
つまり、生き物は本来「寝ているもの」なのです。むしろ、「自分で栄養を作れない動物は“仕方なく”食べ物を求めて起きるようになった」とも言えます。だから食べ物が足りてくれば、眠りに落ちるわけです。あなたが、食後眠くなるのであれば、動物らしい本能に従っていることになります。