首都圏で男性3人の連続不審死にかかわったとして、殺人や詐欺などの罪で起訴されている木嶋佳苗被告(37)の裁判は、2月27日から検察による被告人質問が始まった。検察の質問の中で、死亡した男性以外にも、佳苗が出会った様々な男性たちとの「多忙な日々」が明らかになった。
佳苗は、婚活サイト以外でも、様々な出会い系サイトで男たちと出会っていた。「全日本愛人不倫クラブ」や、"ぽっちゃり系サイト""妊婦専門サイト""恋人探し"といった出会い系サイトで佳苗が関わった男性たちの名前が次々にあげられていく。検察が言うには、佳苗はセックスをした男性を「妻にばらす」と脅し140万円を振り込ませたり、妊婦を装い売春し、出血したと脅しお金を得たり、ぽっちゃり系サイトで出会った男には、妊娠したと言い中絶費用を求め、さらに中絶手術に失敗したとして、2度の手術代を請求するなどしていた。佳苗の口座には男性たちの名前で次々に入金がある。
検察によって改めて明かされる佳苗の日常は激しく忙しい。2008年12月26日、安藤建三さん(09年5月に自宅が全焼して死亡・当時80)と東京・池袋で会い、27日には別の男性とザ・リッツ・カールトン東京に宿泊、29日には池袋のラブホテルに別の男性と行き、30日には寺田隆夫さん(09年1月に自宅で死亡・当時53)と東京・新宿でデート、1月1日から5日にかけては"本命"Sさんと福島県の裏磐梯へ旅行、10日には27日の男性と池袋のホテルに行き、11日には寺田さんと東京ドームホテルに宿泊。
公判中、検察が佳苗に「あなた、毎日がお休みだったでしょ」と言った時、「毎日がお休み、という感覚はありませんでした」と佳苗は答えたが、それは本心だったのだろう。
※週刊朝日 2012年3月16日号