社会学者であり、コメンテーターとして番組でも引っ張りだこの古市憲寿さん。独特な思考と歯に衣着せぬ発言がたびたび注目されていますが、作家・林真理子さんとの対談でも、その魅力を発揮しました。
* * *
林:今朝も「とくダネ!」に出てましたね。テレビのレギュラー出演はほかに中居(正広)君の番組と……。
古市:水曜、木曜の「とくダネ!」と、土曜お昼の中居君の「ニュースな会」、あとは「ワイドナショー」や「バンキシャ!」が多いですね。
林:「とくダネ!」はコメンテーターじゃなくて、キャスターとして出ていて、古市君の人気のほどがわかりますね。友達だから、ふだんどおり「古市君」と呼ばせていただきますけど。
古市:真理子さんとはもう5年以上の付き合いになりますね。僕はテレビに出ることは本業ではないと思っているんです。たまたま今、呼ばれているだけ。そんなふうに気負っていないのがいいのかもしれません。
林:「ずいぶんズバリと言うな」というのが世間の人の古市君のイメージだと思うけど、炎上スレスレのところをスーッと行くじゃないですか。あれはすごいテクニックだなと思って。
古市:僕も空気は読んでいるつもりなんです。ただ、読む空気の濃度がちょっと薄いのか、たまに炎上するんですよね(笑)。
林:このあいだ小倉(智昭)さんに「来年3月で『とくダネ!』が終わるって本当ですか」って聞いたら、みんな一瞬凍りついたそうですね。
古市:スタッフはピリピリしてましたね(笑)。本当に何にも聞いていなかったので、本番中に確かめておこうと思っただけです。
林:安倍首相の慰安婦への土下座像も「個人の私有地だし、いいんじゃないですか」とか言って、あれも炎上したんですか。
古市:韓国のことが嫌いな嫌韓派の人はすごく怒っていました。ただ逆の立場で考えると、本当は文句を言うのは難しい。日本で私有地に何かを建てたとして、外国から文句を言われたから撤去しろなんてことがまかり通ったら、表現の自由はどうなるんでしょう。まあ、像のモデルが“友達の夫”らしいので、あまりいい気持ちはしないですけど。
林:ああ、“友達の夫”ね(笑)。この前「誰だって波瀾爆笑」にゲストに出てたときも笑っちゃった。なぜ慶応に行ったのか聞かれて、「受験勉強ってやりたくないじゃないですか。AO入試で行こうと思って、でも小説を書くのは大変だから、詩を書いて1位になって合格しました」って言ったら、司会の人が「古市さん、これで全国の受験生を敵に回しましたね」って(笑)。