1月24日、2013年度の与党税制改正大綱がまとまった。自宅の新築や建て替えを考えている人にとって、今回の税制改正大網には見逃せない点がいくつもある。
まずはその際のポイントから検討してみよう。
カギは二つ。一つは、14年4月から段階的に上がる消費税だ。消費税は建物に課税され、土地には課税されない。注意しておきたいのは、課税されるのが契約成立時ではなく、引き渡しの時であることだ。
もう一つのカギは住宅ローン減税だ。年末のローン残高の1%の額を、所得税額や住民税額から差し引くことができる。減税の対象となるローンの限度額は、現在は2千万円で、14年4月から4千万円に拡大する(一般住宅の場合)ので、残高が4千万円なら、年間で40万円の控除が受けられる計算になる。ただし、所得税額が少なければ控除を活用しきれないこともある。
では、いつ買えばお得なのか。時期を14年1月~17年末までの間で(1)~(3)に区切り、計算してみた。
(1)は14年3月までに入居するパターン。消費税は5%のままだから、3千万円×5%=150万円。住宅ローン減税の額は、現行制度で最大の200万円(10年間)となる。
(2)は14年4月から15年9月の間に入居した場合。消費税は8%に上がり240万円に。住宅ローン減税の額は、10年間で最大400万円となるが、この場合は約270万円にとどまる。
(3)は、消費税が10%になる15年10月から、住宅ローン減税終了の17年末までに入居した場合。消費税は300万円、住宅ローン減税は(2)と同じ約270万円だ。
比較すると、入居は早ければ早いほどいいようだが、実はそうとも限らない。仮に、ローンの借入額を5千万円にすると、(1)では消費税が250万円で住宅ローン減税が200万円。(2)はどちらも400万円。(3)は消費税が500万円で住宅ローン減税が400万円。(2)が比較的お得だ。
このように、ローンの額によって“お得感”には差が出る。ただ、二つのシミュレーションを見る限り、消費税が8%の時期までに入居するのがよさそうだ。
※週刊朝日 2013年2月8日号