動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい猫(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、島根県大田市の「秋の味覚ニャン」です。
* * *
島根県大田市温泉津(ゆのつ)。戦国時代後期から江戸時代初期にかけて最盛期を迎えた石見(いわみ)銀山がある。外港として栄えた港町をもち、温泉の源泉が二つ湧くこの地は、2007年、世界遺産に登録された。
ここにナナ(メス7歳)が暮らす「森山窯」がある。挨拶代わりに、陶芸家のご主人がもぎ取った柿を「もう食べごろじゃないかしら」と言わんばかりに舐める。確かに熟れていた。
藍色と深まる秋と猫は、よく似合う。一段と可愛く見え、引き立つように思う。
デジタル岩合
http://www.digitaliwago.com/
※週刊朝日 2020年11月6日号