漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「35歳の少女」(日本テレビ系 土曜22:00~)をウォッチした。
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「我が家の幸せのために、豆腐を買ってくるでござる」と自転車で飛び出した10歳の望美(鎌田英怜奈)。坂道でブレーキが利かなくなり、ガードレールに突っ込んでそのまま昏睡(こんすい)状態に。
ママ(鈴木保奈美)はすき焼きなのに、豆腐を忘れた。パパ(田中哲司)は自転車のブレーキを修理してなかった。妹(阿部久令亜)はお姉ちゃんにおつかいを押し付けた。
25年後、ある日突然、望美は目覚める。35歳の望美(柴咲コウ)の中身は10歳のまま。25年の月日の長さを思い知る。
毎度毎度、よくぞこんな地獄の設定を思いつくなってな遊川和彦脚本。イヤミスというジャンル(読後に独特な後味の悪さが残るミステリー)があるけど、こちらはまさしくイヤドラだ。
出てくるキャラクター誰もが幸せそうじゃない。
25年後のママは、離婚や介護で苦労を重ねたせいか、白髪頭で無表情。やっと娘が目覚めたのに、「家政婦のミタ」ばりの暗黒虚無な瞳だ。
パパはとっくに再婚したけど、妻の連れ子はいい大人なのに引きこもりで絶賛家庭内暴力中。