コロナ禍の2020年ももうすぐ終わる。密、ステイホーム、自粛警察など多くのコロナ関連の言葉が生まれたが、週刊朝日編集部はこれらを除いた今年の流行語を振り返りたい。“本家”新語・流行語大賞より早く、コロナ関連以外で今年の流行語をセレクト。
ステイホームを強いられた結果、ドラマ「半沢直樹」とアニメ「鬼滅の刃」が大ヒット。香川照之演じる大和田のお・し・ま・い・DEATH!、鬼と戦うための呼吸法・全集中の呼吸がよく使われた。
ゲームの「あつまれどうぶつの森」、ツイッター上での連載マンガ「100日後に死ぬワニ」、ネット配信された韓国ドラマ「愛の不時着」も人気を集めた。
「人は不安なときほど、脳が疲れないシンプルな物語を求めやすい。『半沢直樹』は水戸黄門のよう。最後に印籠(いんろう)が出てくるのと同じようにパターン化した安心感があります。『鬼滅』もオーソドックスな内容ですし、『愛の不時着』も現代版のロミオとジュリエットで、典型的なラブストーリー。『100日後に死ぬワニ』も、毎日の共通の話題として一体感を強めるのによかったのだと思います」(トレンド評論家の牛窪恵さん)
さて、ある意味当然ともいえるだろうが、今年の芸能界では大きなニュースは少なかった。
そんな中で話題を呼んだのが、東出昌大、渡部建、さらに水泳の瀬戸大也の不倫騒動だ。
「コロナ禍の中にあっても、多目的トイレで濃厚接触! 感染の恐怖の中でも元気で活動している人もいるのだと知りました。人間の強さやしぶとさは変わらないと教えてくれたと思います(笑)」(コラムニストの石原壮一郎さん)
とはいえ、不倫だけではない。純粋に愛を育んだカップルもいる。石原さとみの結婚には驚かされた。
「どんな困難も乗り越えていけると確信」とは、石原が自らの結婚に寄せた言葉。テレワーク中の彼の姿を見て、魅かれていったという。
「本当にいい言葉。この不安がいつまで続くかわからないなかで、ホッコリとした希望を与えてくれました」(牛窪さん)
「コロナ禍で良かった点を強いてあげれば、家族や恋人、友人たち、大切な人のありがたさを知ることができたことでしょうね」(マーケティングコンサルタントの西川りゅうじんさん)
今年生まれたカップルも、ずーっと“腐れ縁”の人たちも、困難を乗り越え、コロナ禍を生き延びてゆきましょう。(本誌・菊地武顕)
※週刊朝日 2020年11月27日号より抜粋