次々と疑惑が再燃している安倍前首相(C)朝日新聞社
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1億5千万円の暴露はあるのか。河井夫妻被告(C)朝日新聞社
1億5千万円の暴露はあるのか。河井夫妻被告(C)朝日新聞社

安倍晋三前首相の後援会が主催した「桜を見る会」の前夜祭を巡る疑惑が国会で再浮上している。

【写真】安倍前首相が抱える「桜を見る会」に続く爆弾

 東京地検特捜部の捜査などで、ホテルに対して補填した分の領収書のあて名が安倍氏の資金管理団体「晋和会」となっていたこと。さらにホテル側から受け取った領収書を安倍氏側が廃棄したという疑惑も浮上した。

 25日の衆院予算委員会で、菅義偉首相は「検察の捜査に全面的に協力していると述べている」と防戦一方だった。

 そして野党が要求している安倍氏の国会招致については、「国会で決めることだ」との見解を示したが、党は頑なに拒んでいる。安倍氏の地元、山口4区の後援者はこう話す。

「桜を見る会の問題が出たとき、地元の参加者の大半が、東京のホテルで会費5000円は安すぎると、安倍事務所が何らかの形で補填をしているのだろうとは薄々、感じていた。やっぱりという感じだ。いつ、検察に呼ばれるのか、とみな、ビクビクしている」

 安倍氏側が補填していたのは、5年間で約800万円とされる。政治資金収支報告書に記載されておらず、政治資金規正法の虚偽記載に該当するとみられる。

「ここまで大きく報じられ、国会でも取り上げられると、より捜査の範囲を拡大させねばならない。おまけに、安倍氏側が証拠となる領収書などを破棄したとなれば、家宅捜索などの強制捜査や安倍氏の事情聴取も視野に入ってくる」(捜査関係者)

 さらに安倍氏にはもう一つの「難題」が浮上している。

 今年7月に公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕された元法相で衆院議員の河井克行被告と妻で参院議員の河井案里被告の裁判だ。

 11月17日と20日、案里被告の被告人質問が行われた。案里被告は参院選の資金については、「主人(克行被告)が管理していた」と述べ、自身の買収容疑を改めて否認。そして2900万円の「買収リスト」作成については「主人が作っていたもので、自分は知らない」と説明した。

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「桜を見る会」と河井事件に絡む安倍首相の秘書