木村太郎 (撮影/写真部・掛祥葉子)
木村太郎 (撮影/写真部・掛祥葉子)
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木村太郎さん(右)と林真理子さん (撮影/写真部・掛祥葉子)
木村太郎さん(右)と林真理子さん (撮影/写真部・掛祥葉子)

 ニュース番組でおなじみ、木村太郎さんは先の米大統領選で、4年前と同様に「トランプ勝利」を予測するも、結果は大ハズレ。現在82歳の氏と作家・林真理子さんと対談しました。

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林:今度のアメリカの大統領選挙ですが、まさかトランプさんがあんなに票を取るとは思わなかったです。息もつかせぬ大接戦でしたよね。

木村:僕はトランプが勝ったと思って、初日が終わったところで万歳しようと思ったぐらいなのに、一夜にして票がひっくり返ってびっくりしました。

林:木村さんは4年前もトランプ勝利を予言して、今回も「トランプが落ちる理由は何も見つからない」と自信に満ちておっしゃったから、「2期目もやるのかな」と私も思ったんですけど。

木村:ものの見事にコケて、いま謹慎中です(笑)。トランプさんは選挙結果にいろいろケチをつけてますけど、次の2024年の選挙を狙って、そのために今いろいろ言ってるわけですよ。「今回の選挙はインチキだったから、24年にやり返すぞ」という仕掛けにしようとして。

林:私から見て、トランプさんは困った人だなと思うけど、決して嫌いにはならなかったし、キャラクターとしても憎めないおもしろさがありますよね。対中政策にしても、この人だからこんなふうにやってくれるんじゃないかという気持ちも芽生えて……。

木村:それはあまり公に言わないほうがいい。あれぐらい反インテリ的な人間はいないですから、何か言ったとたんに“知識人”と称する人たちに袋だたきにあいます。

林:東部のインテリの人たちも、トランプさんを茶化しながらけっこううまくやってたような気がするんですけどね。木村さんはトランプさんに何回かお会いになったことがあるんですか。

木村:一回も会ったことはないです。集会なんかの演説は聴いたことがありますけど。

林:私、小説を書くためにラスベガスに行ってミス・ユニバースの取材をしたことがあるんですけど、そのとき記者会見があって、廊下を歩いてたら、トランプさんが一人で立ってたんです。トランプさんはミス・ユニバースの出資者だったんですよね。「あっ」と思って話しかけようとしたんですが、私の英語力では会話できないと思ってやめたんです。あのとき「私は日本から来た小説家で、今、ミス・ユニバースについて書いています」と言ったら写真ぐらい撮らせてくれて、そのあとどんなに自慢できたかと思うと、ミーハーの私としてはほんとに残念で(笑)。でも、あのときはふつうのおじさんでした。

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