姉「この動画一緒に見る?」
本人「見たい、見たい」
姉「でも、これ見終わったら、勉強やらないとまずいよ。この時間、みんなは勉強してるからね」
本人「わかった」
といったように、にんじんをぶら下げて心をリラックスさせて、やる気を引き出してくれたように思います。
遊びたい盛りに勉強していること自体がストレスだとも考えられますが、中学受験が悪いとまではいいきれません。そもそも、わが子の将来を思って始めた中学受験のはずです。自分を律して試練を乗り越え、目標を達成しようとするわけだから、中学受験はいい鍛錬の場ともいえます。ある程度の負荷がかかることは人間を成長させます。
いま重要なのは、頑張っている子どもに対して、「親はわかっているよ」と伝えてあげることでしょう。より勉強のできる子どもたちを目指し、わが子を叱咤激励するのは、この時期は必要ないかもしれません。なぜなら、もう、その子なりに頑張ってはいるからです。
「受験をしない子たちは、今も学校の帰りに遊んでいるよね。ゲームもしているよね。テレビも見放題だよね。でもそれをしないで勉強しているのは、よく考えるとすごいことだよ」
努力を認めてくれている、と分かることで心の重荷が少し軽くなるのではないでしょうか。
中学受験は親子二人三脚の受験とも言われてます。中学受験という険しい山に挑む子どもと伴走するように、ときに背中を押したり、一緒に休憩したりして、子どもが転ばないように親は見守るしかないのだと思います。
(取材・文/スローマリッジ取材班 鶴島よしみ)
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