近年注目が集まっているラジオ。コロナ禍でリスナーが増える今、愛される番組づくり、時代に刺さるコンテンツとは。ニッポン放送社長・檜原麻希さんと作家・林真理子さんの対談では、最前線の素顔に迫ります。
>>【前編/ニッポン放送・檜原社長「コンプライアンス的なことを突き詰めすぎると…」】より続く
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林:(番組表を見て)いま「オールナイトニッポン」は菅田将暉さんとか星野源さんもやってるんですね。
檜原:「オールナイトニッポン」って、リスナーと一緒になってつくり上げていく形の企画が多いので、今の時代で言えばオンラインサロンみたいな感じなんでしょうね。キャプテンがいて、みんなでその船に乗って楽しむみたいな。昔、ユーミン(松任谷由実)が「ラジオは無数の糸電話でつながってるんだ」と言ってましたけど。
林:うまいこと言いますね。中島みゆきさんもラジオでびっくりするようなキャラを見せてくれるし。
檜原:そうそう。ミュージシャンだったり俳優さんだったり、ふだんの仕事では出ない側面が、ラジオでは出る。福山雅治さんもそうだし、菅田君とか星野さんも、ミュージシャンとしては女子のファンが多いけど、ラジオだと男の子のリスナーが多かったり。
林:占師のゲッターズ飯田さんもなさってるんですね。
檜原:ゲッターズさんは生で人生相談をやってくれてるんです。毎回、リスナーからの人生相談が1万通とか来るんですよ。それだけ支持されてるんでしょうね。ありがたいことです。
林:檜原社長は、ミッツ・マングローブさんを見いだしたという逸話もお持ちなんですよね。
檜原:いや、見いだしたわけではないですけど、芸能の世界に出ていくきっかけにはなったかもしれないです。丸の内にある「来夢来人」というスナックに私もよく通ってたんですけど、そこのオーナーがミッツのパパと仲良しで、「息子の面倒見てよ」という流れから、ミッツが「来夢来人」の雇われママになったんです。
林:へぇ~。
檜原:それがまた愛想のないママだったんですよ(笑)。そんな中、店の常連だった私にオーナーが「こいつ、有名になりたいって言ってるんだけど、いろいろよろしく」なんて言われて。そんなことから、「しゃべりたいんだったら(局に)おいでよ」と言って、最初はケータイ用のコンテンツで話してもらうことからスタートして、「もっとはっきりしゃべりなさい!」なんてやってたら……。