ジャーナリストの田原総一朗氏(c)朝日新聞社
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イラスト/ウノ・カマキリ
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 新型コロナウイルスに感染するのは「自業自得」と考える人の割合が、日本は他国に比べて突出して高い――。ジャーナリストの田原総一朗氏は、新型コロナに関する興味深い調査結果を紹介。その背景に日本社会の同調圧力の強さがあるとみて、持論を展開する。

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 新型コロナウイルスに感染した人物、そして家族が“村八分”にされる。こうした例がやたらに多く出ているようだ。

 現に、テレビ朝日の「報道ステーション」のキャスターが感染すると、スタッフ全員がまるで加害者のように扱われ、キャスターは長く休んだ後に復帰しても、謝罪し続けなければならなかった。

 不幸にして新型コロナに感染したら、同情されるのが当たり前なのに、なぜ加害者のように“村八分”の対象になってしまうのか。

 2月17日の毎日新聞の夕刊で、村山綾氏(近畿大准教授)が、大変興味深い指摘をしている。

 三浦麻子氏(大阪大教授)などのグループによる調査で、「コロナに感染する人は自業自得」と考える人が、米英伊中日の調査5カ国の中で日本が突出して高かったという。各国400~500人対象の質問では、「非常にそう思う」「ややそう思う」「どちらかといえばそう思う」のいずれかを選んだ割合が、米1%、英1・49%、イタリア2・51%、中国4・83%に対して、日本は11・5%に上ったということだ。

 どうも日本では、新型コロナに感染するのは本人に落ち度があり、さらに新型コロナをばらまく危険性がある、と加害者扱いしてしまうのではないか。

 かつて山本七平氏が「この国では空気を読まないと生きていけない」と語ったが、言ってみれば同調圧力が極めて強いのである。

 そういえば、伊藤忠商事の社長を務めた丹羽宇一郎氏が「日本企業の社員は正論が言えない」と繰り返し語っている。

 その例が、数年前に起きた東芝の7年間粉飾決算事件である。中堅以上の社員ならば、誰でも粉飾していたとわかっていたはずだが、誰一人として経営陣に指摘しなかった。私が東芝の社員たちを取材すると、「そんなことを言ったら左遷される」との答えが返ってきた。

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